アナタがいたから…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

龍印 8

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「あ、あの……私何か悪い事……」
「……いえ、悪いことと言うわけではありませんが」
そう言って、泪さんは私の頬から手を離し、フゥと溜息を1つついて、私に聞く。
「凛殿、どうやって地下へいったのです?」
「え?」
どうやって……そう聞かれて私は固まってしまう。
実際、どうやって行ったなんて自分でもわからないのだから、それを説明しようも無かった。
「あの……どうやってって聞かれてもわかんないっていうか……」
「分らない?」
「ココを飛び出して、飛び出したときには既に私、大泣き状態だったから、何処をどう歩いたかなんて分んなくって……気がついたらそこに居たって感じだから」
そこまで私の話を聞いて、泪さんは考え込んで何も言わなくなってしまった。
(えっとぉ〜〜そんなに重要なことなの??)
考え込む泪さんの横でどうしようかとオロオロしていると、枉君が口を開く。
「……梟兄に会って、よく怖くなかったな」
「え?……どうして?」
「どうしてって、梟兄は既に人の姿をしてなかっただろう?」
枉君の言葉に私は目を見開いた。
何を言っているんだろう?
それが真っ先に浮かんだ疑問だった。
「人の姿……してたよ?翳さんにソックリで、やっぱり双子なんだな〜って思ったもん」
「「え?!」」
私の一言に、沢山の驚きの声が聞こえ、泪さん、枉君、そして、聖君に呼ばれてやってきたのか、ほかの兄弟達もドアの近くで、驚き固まっている。
ドアから小走りで私の近くにやってきた翳さんは私の肩を掴んだ。
「兄さんが……人の姿をしていたと言うのは本当ですか!?」
「う、うん……少し寂しそうだったけど翳さんにそっくりで、あぁ、この人が言ってた梟さんなんだって分ったもの」
皆の驚きの意味が分らず、そのままを答えた私に聖君が言う。
「夢じゃないのか?」
「む〜失礼ね。少し冷たかったけど優しく私の頬をなでてくれたし、光麗の話もしてくれた。あと、龍印と言うのがあるんだって話も……」
「そんな……兄さんが……信じられん」
「翳兄様、凛殿が嘘をつくとは思えません。恐らく本当に……」
「あぁ、泪。分っている……分ってはいるが」
「信じられねぇって言うのが、正しい反応だろうぜ。この俺だって……梟兄が戻ったなんて信じられねぇ」
聞かれることに答えていた私は、やっぱりわからなくなって聞いた。
「ねぇ、さっきから話の中身が見えて来ないんだけど……そろそろ説明してほしいとか思ったり……」
周りの様子をうかがいながらそう呟いた私の言葉に、誰一人として口を開こうとしてくれなかったが、俯いて難しい顔をする人たちの中で燿君だけが怒ったように私に言った。
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