アナタがいたから…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

東の森のアーリー 8

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私を2階の1室につれてきたアーリーさんは私をベッドに座らせて、そっと唇に人差し指を当てる。
「あ、あの、何を?」
「シッ、黙って……」
何が始まるのか訪ねようとしたがアーリーさんはニッコリ微笑んだまま言葉を制止した。
ジッと、何が起こるのか見ていると、私の唇に触れているアーリーさんの指がフワッと緑の光に包まれ、口紅を塗るように私の唇にその光を塗りつける。
(あ……何だか気持ちイイ)
ホンワリと漂う森林浴をしているような、ヒノキ風呂に入ったときのようなそんな香りに包まれて、ホゥと体の力が抜ければ、すかさず、私の体をアーリーさんが支えた。
私の横に腰を下ろして座ったアーリーさんに、もたれかかるように肩を抱かれていれば、私の唇にあったアーリーさんの指は光り輝いたままゆっくり私の顎を通り、喉を這っていく。
まるで溶かされていくようなそんな気持ちよさに身を委ね、膝に乗せていた腕がダラリとベッドの上に落ちた。
「んっ……」
口から吐息に似た、息が洩れる。
何をされているのか理解はしているけれど、頭の中は何だかどんどん真っ白になっていくような感覚で、本当に不思議な感じ。
唇に塗られただけなのに、唇に存在する光は体全体をつつみこんでいるよう。
すっと、アーリーさんの私を抱いている方の手が私の着ているドレスの肩の部分をずらすのがわかって、私は閉じていた目を少し開いた。
男の人に服を脱がされそうになるなんて、本当は目を見開いて、飛び起きる様な出来事だったのだけれど、麻酔をかがされているように体がダラリとして力が入らず、瞼を半分ほど開けるのが精一杯。
ドレスは前側をボタンではなく互い違いにリボンで留められていて、以前現代ではやったゴスロリ系の洋服の少し大人しいバージョンと言った感じだったため、片側だけドンドン下へとずらされ、もう片側は肩に存在しているため、胸の前にあるリボンはピンと突っ張る形になる。
少し胸が窮屈な感じがしたが、片側の肩が見えるだけで、それ以上は脱がされないのだと少し私は安心していた。
(リボン、可愛すぎるから余り好みじゃなかったけど、あってよかった)
私がそう思ってホッとしたのも束の間、アーリーさんがフッとリボンに向かって息を吹きかける。
(え?なに?)
ふんわりと風が通り過ぎ、私が自分の胸元に目をやれば、リボンは指すら触れていないのにスルスルとほどけた。
何が起こったのかわからないまま、呆然としていれば、リボンが解けた事により、突っ張っていた布地はハラリと落ち、いとも簡単に私の胸元があらわになる。
下着がチラリと覗く程度に胸元が現れて、首筋から下がっていくアーリーさんの指が鎖骨のあたりを通り過ぎ、私は思わず体をよじった。
恥かしいのもあったが、何をされるのか分らない不安もあって、体をよじったのだが、体に力が入らないため、殆ど微動だにしてない。
「大丈夫、何もしませんから……」
そういって、アーリーさんの指は私の胸の谷間近く、心臓の上で止まった。
人差し指だけだった指に中指が加わり、私の心臓の上からグッと光を押し込むように力を加える。
「ぅくっ……」
押し付けられる指の圧力に苦しく思って私は声をもらした。
(な、何?何を……するつもりなの?)
指の先にあった光はゆっくりと私の体の中にしみこんでいく。
圧迫感は光が入り込むほどに小さくなり、体の中に光がしみこみ広がっていく感覚。
「ぁふぅん」
染み込んで体の中に散っていく光のホンワリとした優しい感じは一瞬緊張した私の体の筋肉をほぐした。
全身を駆け巡った光はゆっくり私に息を吐き出させ、大きく促されるように息を吐こうとした瞬間、私の唇には少しひんやりとした柔らかい感触が舞い降りていた。






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