Evil.Umpire

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

HARU 9

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「クッ、貴様等……」
「フン、下等な奴に貴様呼ばわりされる覚えはありません」
リラの言葉にサイは不機嫌にそう言い放ち、ジタバタしているハルの首根っこを掴んでいる手を離す。
ブラブラと吊り下げられていた体がやっと地面について、フゥと一息入れてからハルはサイを見た。
「サイ、下等は下等、すこぶる下等ぶりだから、何言っても無理だぞ」
「な!我が種族を馬鹿にした挙句、我を下等と!!」
「だってさ〜アンタ、本を見せても『それがどうした?』って感じだったじゃん」
「お前が戦いの最中に本などを振り翳すからだろう!」
「な?馬鹿だろ?」
リラが怒鳴っていった言葉にますますあきれた表情を見せてハルはちらりとサイ達をみつめ、ため息をつく。
「仕方ないんじゃないの?」
「なんだよ、ダース。アイツの味方か?」
ハルの溜息のあと、ダースが口を挟めば、ハルの機嫌がムッと悪くなった。
「味方ってわけじゃねぇよ。分ってんだろ?あんな臭い奴、誰が味方するかっての。そうじゃなくって、こういうタイプはハルの事を知らない連中が多いって事。今まで出会わなかったのか?」
「今まで?」
ダースの質問に腕を組んで考え込んだハルの頭上からサイが言う。
「今までハルは片っ端から狩れるモノは狩りまくってましたからね。こうやって対話する暇なんて無かったんですよ。なんせ本当に問答無用」
「ゲッ、マジで?俺よく助かったな……」
「最近のハルは狩りに飽きてきてたんですよ。以前までは狩ることが楽しくてしようがなかったんですけどね」
「うるさいな〜仕方ないだろ。手ごたえないのばっかりでつまんなくなったんだから」
「はぁ、そりゃ問答無用でやってたらわかる分けないよな。あのな〜ハル、お前の力や存在を知ってるのは聖と魔、両方ともに上級の連中だけ。それ以外の連中は上の奴らに言われてなんとなく知ってる程度なんだ」
「……なんだよ。つまんないな」
ダースの言葉にチェッと舌打ちしたハルとやれやれといった表情のダースとサイ。
そんな3人に忘れ去られたかのようになっているリラはギリギリと歯をかみ締めていたが、ばさりと翼を羽ばたかせ、空中に浮き上がって怒鳴った。
「いい加減にしろ!貴様ら!!」
「大丈夫ですよ。別に貴女の事を忘れているわけじゃありませんから」
「ちょっとした談笑〜気にすんな」
「……な?馬鹿だろ?」
口々に言う3人はリラの怒りとは対照的にリラックスモード。
完全に馬鹿にされていると感じたリラは翼を体に巻きつけ、まるで翼で繭を作るように体をつつみ、まばゆいばかりのオーラを発し始めた。





 
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