空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

向日葵と太陽 7

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窓の向こうの窓が絶対に開く事が無いんだと分かって向日葵がいえなかった恋に蓋をしたその時、一緒に封印されたのは勉強机の一番上の引き出し。
沢山の想い出や大切な物を詰め込んだその引き出しに泣きながら鍵をかけてその鍵を窓に向かって放り投げた。
しかし、開いていると思っていた窓ガラスは閉まっていて、跳ね返ったその鍵はまだ色んな機能がついていた勉強机の裏側に落ちていってしまった……はずだった。
「……確かにココだと思ったのにな〜」
「……何が?」
「ん〜〜何って鍵を……え?!」
自分1人しか居ないはずの部屋で机に潜り込んだ自分のお尻の方から自分の行動に対しての質問が投げかけられて、驚いた向日葵は机の下に居る事も忘れて立ち上がり、思いっきり後頭部を机にぶつけてしまい、思わず
「!!!っっ痛!!!」
と叫んでしまい、頭を抑えてまたその場にしゃがみこむと、頭を押さえる向日葵の手の上に大きな温かい手がフワッと乗せられて、優しい声がする。
「ぉい、大丈夫か?」
「〜〜#$%」
向日葵は頭の痛さもあったが、何より自分の頭の上の更に手が重ねられて、聞こえてくる声は太陽の声と言う事に何も言えず、ただ、喉に声を詰まらせ、真っ赤になっていく自分の顔の熱さを感じた。
クスクスと言う笑い声とともに、背中が温かくなっていくような感覚がして、チラリと後ろを見てみると、太陽がしゃがんで自分の頭を撫でていた。
「おっちょこちょいは変わってないな〜」
「そ、そんな事……」
声が震えないように、気づかれないように注意しながら小さな声で答える向日葵の頭の上にあった太陽の右手はスルリと滑って向日葵の右肩の上に移動し、太陽は自分の方へグイッと向日葵を机の下から出すように寄せる。
「あっ……」
急に体を寄せられて、不安定にしゃがみこんでいた向日葵はグラッと揺れて次の瞬間、フワリとした温かい感触が頬に触れ、懐かしい香りが鼻をくすぐった。

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