空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

向日葵と太陽 8

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何も考えられなくなった向日葵の体を抱きしめるように机の下から引き出した太陽はそのまま立ち上がったが、向日葵は抱きしめられていると認識するほどに体が震え、上手く自分の足で立てずにそのまま体重を太陽に預けてしまった。
「ぅわッ!」
思いがけず体重を預けられてしまった為、今度は太陽が体のバランスを崩して向日葵を胸に収めたまま後ろのベッドへ倒れこんだ。
ドサリ
太陽の背中には布団があり、胸の上には向日葵が居る。
ただでさえ緊張するシュチュエーション。
それなのに向日葵は自分が今居る場所を再確認してどうするべきかとドキドキしたままその場所に居た。
(ど、ど、どうすればいい?こういう時どうするの?っていうかどうしてた??)
向日葵の回っていない頭はどうすべきかととにかく考える。
(えっと、ベッドにこうなるってことは……ち、違うわ。えっと、お、押し倒された事はあるけど、押し倒した時は……って、それも違ぁ〜〜う!!)
体はドンドン熱くなって、思考回路を溶かしていき、向日葵はギュッと太陽の胸の部分の洋服を握り締めた。
その手に太陽の手が重なって、太陽が言う。
「向日葵、大丈夫か?立てるようなら立ってくれる?重くってさ〜向日葵が上に乗ってたら俺、立てないし」
「……あ、う、うん。ごめんなさい」
何気なく言った太陽の言葉を耳の中に入れた向日葵はその言葉に自分が泣きそうになっている事に気がついた。
他愛の無い言葉だし、上に乗ってるからどいてくれないかと言われているんだと頭の中でわかっていた向日葵だったが、この状況にドキドキして頭がゆだるような感覚に襲われていたのは自分だけだったのかと、それを冷静に考えた自分の頭に泣きそうになったのだ。

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