空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

流れた時間 5

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暫くして、太陽が部屋に戻ってきたが、そろそろ部屋に戻っているだろうと思っていた向日葵の部屋は相変わらず真っ暗で、不思議に思った太陽は自分の部屋の窓枠に足をかけて向日葵の部屋の窓を開け、向日葵の部屋の窓枠に移ってそっとカーテンを開く。
真っ暗な部屋の中には月明かりと自分の部屋の電気がボンヤリと差し込んで、薄暗く部屋の中が見えた。
グルット見回したが向日葵の姿は見えず、やっぱり帰ってないのかと自分の部屋に帰ろうとした時、窓の下の方からスースーと息遣いが聞こえ、慌てて窓枠の下を覗き込む。
窓枠の下では向日葵が小さく体を丸めた状態で寝転がっていた。
「……コイツ、何でこんな所で寝てんだ??」
太陽は首をかしげながら大きくジャンプして向日葵を跨ぐように部屋の中に入り、寝息を立てる向日葵の横にしゃがみこんだ。
あれから暫く泣き続けた向日葵は、あまりに泣きすぎて泣きつかれてその場にコロンと寝てしまっていた。
そっと、向日葵の体の下に手を入れて、横抱きにした太陽はフフッと思わず笑う。
「やっぱり昔より重くなってるんだな……でも、軽いな……」
向日葵を抱えて起こさないようにゆっくり歩き、そっと向日葵のベッドに下ろした。
「……それに、昔と変わらず泣き虫なんだな……」
向日葵の頬にかすかに残る涙の跡と、真っ赤な目を見れば泣いてい痛んだと言う事は一目瞭然。
向日葵の頭を優しくなで、そっと頬をなぞる。
「んっ……太陽……兄ちゃん」
かすかに寝返りをうって向日葵が呟くと太陽はフーと溜息をついた。
「太陽、兄ちゃん。か……」
溜息混じりに呟いた太陽は向日葵の前髪を指で優しく払い、出てきたおでこに唇を落とす。
「……おやすみ、向日葵」
名残惜しげに向日葵を見つめていた太陽だったが、スックと立ち上がって窓から向日葵の部屋を後にした。

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