空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

唐突は突然に 4

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(はぁ……馬鹿みたい。何期待してたんだろ。私)
心臓をドキドキさせてインターホンを押した自分がなんだか情けない様な気がした。
期待しない、自分は妹、何度それを言い聞かせれば自分の頭の中は素直にその考えを飲み込んでくれるのか。
向日葵は勝手に妄想を暴走させる自分の頭が嫌になってきていた。
トントンと階段を先に歩いていく太陽の足元を見ながら向日葵は階段を登り、そのまま瞳は太陽の足を追いかけ、ドアを入った。
フワリと太陽のにおいがした。
(……懐かしぃ……そう、こんなだった)
なんだか太陽に違和感を感じていたのはこのせいだったのかと向日葵は気づいて、思わず、太陽に分らないように空気をいっぱい吸い込んだ。
今の太陽の体からはコロンの香りがして、何か違うと思っていた。
「何ボーっと突っ立ってんだ?コッチ座れよ」
「う、うん」
バスバスと太陽がベッドに腰掛、自分の隣の空間を叩くので、向日葵は自分の心臓が口から飛び出してくるんじゃないかと言うほどドキドキして、太陽の方へと歩いて行く。
(な、何もドキドキする必要は無いのよ向日葵!)
自分で自分にしっかり言い聞かせていたが、頭の考えとは正反対に心臓は太陽に近づくほどに大きくドクドク鼓動した。
ボスン……
少し固めのベッドの上に座った向日葵は、膝の上に手を置いて、両手をギュッと握った。
下を向いた向日葵が自分と微妙な距離をとっているのを見つめてクスリと太陽は笑う。
(そんなに警戒しなくても何もしないのに……)
ズサリと布ズレの音が聞こえて、向日葵の足にふんわりとした温かさを感じ、ビクリと向日葵は体を揺らした。
視線を温かさの方にずらしてみれば、ほんの数センチ横に太陽の足がある。
(え、な、ど、どういう……)
オロオロとうろたえる向日葵に太陽は言った。

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