空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

唐突は突然に 7

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「ん?それに、何だ?」
「え?あ、うん。引っ越してきたばかりで大変なんじゃないかって」
「ハハ、たいした事無いし、向日葵がきてくれれば俺の部屋を片付けてくれるだろ?」
「な!私はお手伝いさんじゃない!」
プクッと頬を膨らませてそっぽを向いた向日葵に、太陽はアハハと大きく笑って「そうだな……」と呟く。
「何時までも太陽兄ちゃんのお世話なんてしてられないんだからね!」
「え〜そうなのか?なんだ、つまんないな〜」
口を尖らせた向日葵はそっぽを向いて耳から入ってくる太陽の言葉の1つ1つにドキドキしていた。
なんでもない太陽の言葉。
なんでもない太陽のしぐさ。
気にしないようにしようとすればする程、逆に意識してしまう。
(どうしよう。凄くヤバイかも……ど、動悸が……)
向日葵は何とか落ち着けようと心臓の前で手を組んでギュッと目を瞑ったが、周りの様子が見えなくなると余計に、太陽の気配を感じ取る様な気がして心臓が暴れだした。
(あぁ、もぅ!どうすれば良いのよ……)
向日葵が自分の頭の中で必死に何かと戦っていると、突然、太陽の勉強机の上においてあったケータイが鳴り響く。
ジリリリン、ジリリリン……
チラリと机の上を見て、ケータイをとった太陽は携帯の液晶を確認し、視線を向日葵へと流した。
(気配が変わった……)
手に取ったはずの電話は未だ鳴り響き、明らかに太陽が出るのをためらっているのが分った。
(……私が居ちゃダメなんだ)
そう思った向日葵の胸では先ほどの高ぶるドキドキはいつの間にか消え去り、今度は重苦しさが支配し始める。
スッと、向日葵はベッドから立ち上がり、太陽の横をすり抜けて、精一杯の笑顔を作って太陽に言った。

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