空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

唐突は突然に 10

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「もしもし……」
「あ、向日葵?」
電話口から聞こえてきたのはクラスメイトの玉木泰子(たまきやすこ)。
明るい彼女の声に少し向日葵は重苦しい胸のつっかえが取れた様な気がした。
「ん……何?」
「ね〜今日暇?」
「暇といえば暇だけど、どうして?」
「ちょっとさ〜人数が足りなくって。向日葵が出てくれると助かるんだけどな〜」
「……また合コン?私は興味ないって言ってるのに……」
「向日葵がいるのと居ないのとでは男の子の受けが違うの!可愛い子が居るか居ないかって重要なんだから!」
力説する玉木に向日葵は「仕方が無いな〜」と言い、OKの返事をし、ベッドから起き上がると洋服を着替える。
「……折角、太陽兄ちゃんの好きな空色だったのにな……何も言ってくれないんだもん……」
はぁ……っと思い溜息をついて。向日葵はデニムのミニスカートに、Tシャツ、薄いパーカーを羽織って鞄にケータイを突っ込んで玄関へ向かった。
靴を履いて出ようとしたその時、ドアチャイムが鳴り、玄関に来ていた向日葵はインターホンに出る事無くそのまま「はぁ〜い」と玄関を開ける。
「……た、太陽兄ちゃん!?」
「あれ?出かけるのか?」
「う、うん……友達から電話があって……」
「何だ、そうか。勉強見てやろうと思ったのにな〜」
「べ、勉強は別に良いよ……」
ニカッと笑う太陽に少したじろぎながらそういった向日葵は、靴を履いて玄関を出ると、鍵をかけた。
「それに……太陽兄ちゃんも夕方から出かけるんでしょ……」
「……向日葵、やっぱりお前聞いて……」
「じゃ、バイバイ!」
何かを言いかける太陽の言葉を無視するように声を重ねて、向日葵はその場を走り去った。
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