空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

唐突は突然に 11

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「はぁ……はぁ……お、追いかけてきてないよね?」
向日葵は待ち合わせの駅前まで後ろを振り向く事無く、ひたすら走ってやってきて息をつき、振り返った。
太陽はとっくに出かけていたと思ったのに玄関に立っていたことにも驚いたが、何よりも自分が太陽に対して嫌味ともとれる発言をしてしまった事に驚いていた。
「もぅ、何言ってんだろ私……気不味くなったらどうするのよ……向日葵の馬鹿……」
自分自身に文句を言って下を向いていると、ポンと肩を叩かれ後ろから声をかけられる。
「な〜に自分で自分の事馬鹿呼ばわりしてんの?」
「わ!泰子!び、びっくりした〜」
「1人で何、百面相してんの?何かあった?」
「べ、別に……何もないよ」
「ったく、ま、何があっても良いけどさ〜折角の春休み初日の合コンなんだからね!」
バッチリメイクに胸元を開けて谷間を見せ、ミニスカートで決めた泰子はグッとこぶしを握った。
「き、気合入ってるのね……」
「あったりまえでしょ〜!初日に彼氏ゲットして、後は楽しい春休み〜って計画なんだから!」
「あっそ……それに付き合わされる私の身にもなってよね……」
「な〜に言っちゃってるの?別に向日葵は頭数合わせの為にきてもらったわけじゃないわよ〜気に入ったのが居れば向日葵もゲットしないと!」
「別に私は良いよ……頭数で」
「ダメよ!滅多に無い華南高校の男子なんだから!」
気合入りまくりの泰子に詰め寄られ、引きつりながらも向日葵は頷く。
華南高校と言うのは県内でもトップクラスの秀才高校で、文武両道をうたい文句にしているだけあって、頭だけではなくスポーツの分野でも全国区で有名な高校。
(……頭の良い彼氏とか別に興味ないんだけどな……)
泰子に気づかれぬように小さな溜息を付いた向日葵の頭の中は太陽の事でいっぱいだった。

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