空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

戸惑いと不安と 3

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あまりの動悸に少し息の荒くなっている向日葵は、少し遼の体を両手で押しながら言う。
「ちょ、ちょっと近いって……」
「OKしてくれたら離れるけど?」
「そ、そんな交換条件みたいに!」
遼の胸に両手をあて、手を突っ張って遼から体を話そうとした向日葵の腕を、遼が向日葵を抱きかかえていない方の手で、トンと上へ跳ね上げた。
「あっ……」
遼の体を押す為に突っ張っていた手は遼の肩へとすべり、バランスを崩した向日葵は遼の首に腕を絡ませるようにして抱きつく形になってしまう。
猫っ毛のように柔らかい遼の髪の毛が顔にかかり、自分とは違う男の人の香りが鼻をくすぐった。
(……太陽兄ちゃんとは違う香り……)
トスンと肩と肩が重なり合うと遼の顔にも向日葵の少し長めの髪の毛がフワリとかかる。
(わ、良いにおい……)
向日葵の髪の毛からは柑橘系のシャンプーの良い香りが漂って、遼はもっとその香りに包まれたいと思わず向日葵の体をギュッと自分に閉じ込めるように抱きしめた。
「ちょ……ゃん……」
「ねぇ、お試し…してよ」
「そ、そんな事言っても……」
「彼氏は居ないって聞いてるんだけど……うんって言ってくれるまで離さないよ……」
「ぁん!ちょ、ちょっと……苦し……」
背中から腰、頭まで抱き抱え込まれ、身動きが取れないまま、力をこめて抱きしめられ、少し息苦しさにそういったが、遼の力はますます強くなってくる。
(そりゃ、彼氏は居ないけど……仕方ない、うんっていわなきゃ離してくれそうにないし……)
考え込み、今の状況にイッパイ、イッパイの向日葵は陰からその様子を見ている人が居ることに気がつかなった。

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