空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

戸惑いと不安と 6

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真っ赤になって頬を手で押さえ、カチンコチンに体を固まらせている向日葵の様子を見て遼は覗き込んで言う。
「……もしかして、光田さんって男性経験皆無?」
「だ、男性経験……」
「あ、付き合ったこととか、こうやって手をつないだ事とかってこと」
「きゃっ!」
さりげなく遼の手の平が向日葵の手を包み込んだ、その感覚に向日葵は驚き、その様子を見た遼はアハハと笑った。
「そっか、じゃ、俺が初めてになるんだ。嬉しいかも」
「そ、そんな……つ、付き合ったことぐらい!」
「ふぅ〜ん、手を繋いだりキスをしたり?」
「……」
ムッと口を尖らせ、返事をしない向日葵にクスッと笑い遼は向日葵の手を引いて歩き出す。
「この春休みは楽しくなりそう〜」
「え?」
「俺が光田さんに手取り足取り教えてあげる」
「て、手取り足取りって!」
遼は自分の一言一言に確実に反応してくる向日葵が可愛くて、なんだかとても苛めたい気分になっていたが、あまりやりすぎて嫌われてもいけないと、苛めるのを止めた。
確実に馬鹿にされるように扱われていると分っていながらも、居心地が悪いわけではない為、向日葵も黙って手を繋がれたまま、ついていく。
途中、中学の話や、趣味の話をして、向日葵にしては珍しく気の合う男子だと思っていたとき、向日葵は自分の家の門を見て「あっ……」と声を上げた。

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