空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

危険な女 2

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一度も向日葵と視線を合わせる事無く、後ろ髪をひかれる思いで、電話を切って、その場を後にした太陽は駅へと向かう。
電車に乗って3つの駅を通り過ぎ、4つ目の駅で降りた。
そこからバスに乗って、暫く、大きなマンションの一室のインターホンを押す。
「はぁ〜〜い」
中から甲高い女の声が聞こえて、ガチャリとドアが開き、開いたドアから出てきた女はドア前に立っていた太陽に抱きついた。
「ぅん!もぅ!遅い〜〜〜」
「……俺にも都合がある……瞳、何の用だ」
「とりあえず、ココでって言うのもなんだから、中に入ろう〜」
瞳は太陽の返事を聞く事もせず、強引に太陽を部屋の中に引っ張り込んで、太陽を先にリビングに行かせてから、玄関の鍵をかける。
太陽は少し来たことを後悔しながらも、仕方が無いと1人掛けのソファーに座り、溜息をついた。
カチャカチャと何かしらの用意を台所でしている瞳に向かって太陽は叫ぶ。
「すぐ帰るから何もいらねぇ!それより用って何だ!何度も電話しやがって……」
瞳は太陽の苛立ちなど全く気にしない様子で、台所からワインとつまみを持ってきて太陽の隣にあるソファーに座った。
「何苛々してるのよ。ねぇ、コッチにかえって来ない?」
「はぁ?」
「そりゃさ、今度の学校は元々ある実家からだと近いのは分るけど……ココからだって通えるじゃない」
ワインをグラスに注いで、スッと太陽に差し出したが、太陽は首を横に振る。
フッと一息ついて、瞳はコクリとワインを一口流し込み、グラスを持ったまま、太陽の座るソファーの隣にいき、腕置きに座って太陽の肩に腕を置いた。
「ね?また一緒にココで暮らそ。家賃だって必要ないんだし……」
ワインを口に含んだ瞳はそのまま、唇を太陽の唇に近づけたかが、太陽はスッとソファーを立って言う。
「……お前、何勘違いしてんだ?」
「え?」
思いもかけない言葉に瞳は太陽を少し驚いて見つめた。
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