空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

危険な女 4

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「うっ!」
瞳の腕はぎゅっと太陽に絡みつき、その唇も太陽に押し付けられたまま。
太陽の眉間に深く皺が入ったとき、太陽は瞳の肩を掴んで絡みつく瞳の体を引き剥がした。
「……てめぇ、ふざけんなよ」
「ふざけてるのは太陽でしょ……」
「はぁ?!お前、意味不明」
「私に何も感じないなんていわせないわ。それに、私の気持ちに気づいていなかったわけないでしょ!」
「……知らねぇよ」
グイッと太陽は手の甲で唇を拭って、再び自分に抱きついてこようとする瞳をどかして、無理やり玄関を出て行く。
バタン!
大きな音を立てて閉まったドアを瞳は慌てて開いたが、走って行ってしまったのか、もう既に廊下には太陽の姿は無かった。
ゆっくりドアを閉めた瞳は、クッと唇を噛み締める。
「太陽……許さない……」
キッと前方を睨みつける瞳は、ギュッと拳を作って下駄箱を叩いて、玄関からリビングへと戻ってきてチラリと太陽の座っていたソファーを見つめた。
「命令だったからですって?」
ゆっくり、ソファーに近づき、瞳はボソリボソリと呟く。
「あんなに熱いキスを交わしたじゃない……私が言えば何でもしてくれたじゃない……命令なんかじゃない……あれは、太陽自身が私を好きだったからでしょ」
ソファーの背凭れに手をそえ、そのまま、そのソファーに膝をつき、体を沈め、未だ残る太陽の香りに包まれるように背凭れに頬ずりをした。
「……逃がさない、逃がさないわよ……私の太陽」
ニッコリ微笑んだ瞳はそっと、そのソファーの背凭れにキスをした。

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