空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

すれ違う思い 1

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夕食を終え、自分の部屋に戻った向日葵の携帯には着信履歴が1件あり、向日葵はゴロンとベッドに寝てその着信を見る。
「……知らない番号」
携帯の画面に残るその番号に首をひねりながら、録音されているメッセージを再生した。
『……あ、光田さん?俺。あのさ、明日、映画行かない?えっと、そうだな……また時間とかメールするよ』
「葛木君……か。……あれ?どうして私の携帯番号?」
向日葵はボンヤリと携帯を眺めて、そのまま、携帯をしめ、枕に頭を埋める。
(かけなおし……しなきゃ駄目かな〜?そんな気分じゃないんだけど……)
本当なら、こういわれて嫌な気はしないし、少しどきどきして電話をかけなおすのかもしれない。
でも、今の向日葵の中にあるのは太陽のこと。
雨戸を閉めて、自分から遮ったはずの太陽の事をずっと気にしていた。
(……瞳って言う人の所からまだ、帰ってないのかな……帰って来ても……)
胸が重苦しいのに、考えたくないのに、頭の中を回るのは太陽の事と、ドア越しに聞いた「今向かってるよ」という太陽の声。
(会いたいって……また会えたら良いなって思ってたけど。こんなに苦しいなら会わなきゃ良かった……)
うつぶせて枕に大きな溜息をしみこませた向日葵は枕横に置いた携帯が行き成り鳴り、ビックリして携帯を見た、
「ビ、ビックリした……泰子?」
着信者の名前を確認して携帯に出る。
「もしもし?」
「もっし〜!何だ居るんじゃん」
「え?何が?」
「いやさ〜葛木君って言う子から向日葵の電話番号とメルアド聞かれて教えたんだけど、電話に出ないから番号あってるのかってもう一度聞かれてさ〜」
「あぁ、1階で居たから……」
そう答えた向日葵だったが、何故か、気軽に自分の電話番号を教えてしまった康子にイラッとしていた。
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