空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

すれ違う思い 2

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「ふ〜ん、私はてっきり居留守使ったんだと思ったけど」
「っていうか、どうして勝手に電話番号教えたの?」
「どうしてって、教えてくれって言われたからよ。ダメだったの?」
「普通、どうするって聞かない?勝手に教えられるのって……」
「あら、良いじゃない。葛木君は向日葵の事気に入ってたみたいだし。向日葵だって満更じゃないんでしょ?」
「そんな事……」
少しトゲのあるように言ってくる康子の勢いに向日葵はたじろいだ。
暫く、向日葵が黙っていると、泰子が、ボソリと言った。
「気に入らないなら私に頂戴よ」
「え?」
向日葵が呟くように聞こえてきた泰子の声にもう一度聞き返すように言ったが、暫くの沈黙の後、泰子は少し不機嫌に言う。
「何にも言ってないわよ。何?」
「い、いや(聞き間違うって事は無いと思うんだけど……)」
「何時だって向日葵はモテるから、そうやって居留守使ったりできるんだろうけど、止めたほうが良いよそれ」
「い、居留守って……そんな事してないけど」
「何にしても気に入りもしてないなら一応キープみたいな真似はやめてよね……」
いつもと違って、暗く、責めるように言う泰子の言葉に、妙に向日葵はムカムカとさせられた。
「泰子、ちょっと、酷いんじゃない?私そんなつもり全然……」
「フン、酷いなんて良く言えるわ……そうね、向日葵は何時だって、自分だけだったもの……人の気持ちなんて何も分からないんだわ」
「な、何の話よ!」
「知らない!」
向日葵が大きな声で言うと、泰子も同じ様に大声を出して、そのまま電話を切ってしまった。
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