空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

傷心 2

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「もう一度言う。離れろ」
「イヤよ!こんなに反応してるじゃない。認めなさいよ!」
完全に拒絶の反応を示しているのは頭だけだと太陽自身も分っている。
瞳との同居生活で1つ屋根の下に男と女がいて、女が誘い、酔っ払って理性の無くなった男のとる行動は1つしかなかった。
幾ら理性がなくともその感覚は体に刻まれる。
瞳は明らかにそれを分った上で、こんなことをしていると、キチンと頭で理解しているにもかかわらず、自分の体がその体に反応しているのが、太陽を更に苛々させていた。
「女を殴るつもりは無い。本気で怒る前に離れろ」
静かに、冷たく言い放つ太陽の顔から表情が無くなっていくのを見て、瞳は今までに見たことの無い太陽の表情に怖さを感じて、ゆっくりと離れる。
瞳が離れ、太陽は瞳に背を向け、瞳を見る事無く更に言った。
「今度こんな事をしてみろ、俺は女だろうと容赦しない」
「だ、だったら!連絡取れるようにしてよ!」
「ふざけるな。どうして俺がお前と連絡を取れるようにしないといけないんだ。分ってるんだろ?俺がお前と連絡を取れなくした理由が」
「わ、わからないわよ」
瞳は分っていたが、認めたくない一心で頭を振りながら太陽に言ったが、太陽は一切振り向かず、溜息混じりに言う。
「そうか、じゃぁ、言ってやる……俺は今後、お前と連絡を取るつもりもないし、お前の顔も見たくない」
「な……」
「俺の人生の中で唯一の汚点はお前の世話になったことかもしれないと思うほどに、俺はお前が嫌いだ」
「嘘!嘘よ。だって……今だって」
「体が反応するとかそういう低次元なレベルで物事を推し量ってるなら教えてやるよ。その辺の男に同じ様に抱きついてみろ。皆、俺と同じ反応を示すだろうよ。つまりは、そう言う事だ」
「ひ、酷い」
「お前がそうさせたんだろ。人を責める前に自分のした事を良く考えるんだな」
太陽はそういって、項垂れる瞳に背を向けてその場を足早に去っていった。

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