空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

傷心 4

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泣きはらした顔に、真っ赤な眼、何かあったことは一目瞭然の向日葵の顔に太陽が声をかけようとすると、向日葵は太陽の横をすり抜けるように何も言わず走り去ろうとする。
「ま、待て!向日葵!」
太陽は向日葵に向かって手を伸ばし、その肩をつかんだ。
「何かあったのか?」
「別に何も無いよ」
「何もって」
向日葵は低い声でそういい、俯いて太陽の方を見ようとしない。
太陽は自分の掴んだ手をどけて行こうとする向日葵の両腕を掴んで、自分の方に向けさせて更に聞いた。
「そんな顔して何も無い訳無いだろう?」
「何も無いもん」
「向日葵、俺はお前を心配して聞いてるんだぞ?」
少し口調を強めて、腕を掴んで言う太陽に、向日葵は顔を上げ、涙目の瞳で睨みつけるようにして太陽をみて怒鳴る。
「私は!何時までも太陽兄ちゃんの後ろをついて行く妹じゃ無いわ!!」
「お、おい、どうしたんだ急に?」
怒鳴りつけた向日葵の声に驚いて一瞬、太陽の向日葵の腕をつかんでいる力が緩んだ。
向日葵は大きく腕を振って、太陽の腕を跳ね除け、少し後ずさる。
「何にも無いわけないじゃない……」
「向日葵?」
「何も無い訳ない!あったわ!自分の胸に手を当てて考えればいいでしょ!太陽兄ちゃんの馬鹿!!」
ボロボロと涙を流して睨みつけ、怒鳴って走り去っていく向日葵を太陽はボンヤリと見つめていた。

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