空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

本心 2

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「翻弄。どういう意味だい?」
「それすら分ってないんですか」
太陽の問いかけに溜息混じりで答えた遼は、紅茶を飲み干して席を立ち、店を出ようとする遼の腕を太陽が掴む。
「話は終わってないんじゃないか?」
「だって、アナタはココまで言っても全然、何も分らないんでしょう?」
「だからどういう意味だと聞いてるんだ」
「どうして俺がアナタに答えなきゃいけないんです。出来ればアナタになんて答えたくないんです。俺はね」
「滅茶苦茶な言い分だと思うけど。話があるっていったのは君だろう?」
「それはアナタが全てを知っていると前提してです。でも、アナタは全然、まるで、何も知らない」
遼の言い分は自分はまるで全部知っているといわんばかりで、そして、太陽を馬鹿にしているようにとれた。
感じんな事を言おうとしない遼に太陽は立ち上がって遼の肩に手を置き無理やり席に座らせて少し低い声で言う。
「君は何もかも知っていると言う口ぶりだ。何も知らない俺に教えてくれないか?君のその奥歯に物が挟まったような言い方をされると気分が悪い」
「……」
ブスッと再び席についた遼はチラリと太陽を見た。
「鈍いにも程があるんじゃないですか?」
「なに?」
「俺は中学でずっと向日葵を見てきました。片思いで。分りますか?片思いするとね、自然と目がその人を捕らえるんです。自分を見てくれてなくても自分はずっと相手を見ているんです」
「それが……何だ?」
太陽の言葉に更に溜息をついて遼は苛立ちも含めたような言葉を太陽に投げつける。
「アンタが帰って来てから、向日葵がずっと誰を目に映していると思ってるんですか……」
「誰を……って」
「アンタがそうやってるならそれでかまわない。俺は絶対、向日葵を渡さないし、向日葵を振り向かせる」
それだけを言い、それ以上をいいたくないと言った雰囲気をかもし出した遼は、再び席を立ち、伝票を手に取ろうとしたが、それを太陽が止めたので、一応軽く会釈して出ていった。

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