空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

私と言う自分 4

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「メール沢山ありがとう。電源切ってて、返事できなくてごめん」
「やっぱり切ってたのか。電話かけたらそういわれたからアレって。こっちこそごめん、何かいっぱいメールしちゃって」
「ううん、悪いのは私だから。それでね……」
向日葵は言い出そうとしたが良い言葉が出てこない。
ジッと沈黙が続いて、ハァと向日葵が溜息混じりの深呼吸をしたとき、遼の方から話し始めた。
「お試し期間終了かな?」
「え?!」
「そういう話がしたいんでしょ?」
「どうして」
「分るよ、俺は向日葵が好きだから……声のトーンや電話から聞こえる息遣いで何を考えてるのか分るんだ……」
静かな遼のその言葉に向日葵は胸に大きな鉄杭を打ち込まれたようにズシンとした衝撃と苦しさを感じ、ギュッと目を瞑る。
「怒らないの?」
「うん、だって、元はといえば俺が強引にお願いしたことだし」
「本当にごめんなさい。私、キチンとしなきゃって思ったの。キチンと自分の気持ちを整理しなきゃって……いい加減じゃダメだって……」
「そうか。ねぇ、お願いを1つ聞いてくれる?」
「なに?」
「これからもメールとか電話とかして良い?」
「え?」
「別に変な意味じゃなくって、友達として。折角知り合ったし」
遼に言われて、一瞬向日葵は迷った。
「友達」として、男女の中にそんな事があるとは思えず、しかも、遼は私を好きだといっていたのに、急に友達になんてなれるのかと思う。
しかし、散々、自分勝手なことを繰り返した事もあって後ろめたさとでも言おうか、そんな気持ちで「分った」と了承し、電話を切った。

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