空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

2人の時間 2

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向日葵の胸の谷間に耳を引っ付けていた太陽は向日葵の告白に押さえつけられている頭を動かして見上げ、向日葵の顔を見る。
太陽の目には耳まで真っ赤にしながら、目を閉じて呼吸を整えようと必死な向日葵の姿が見え、太陽の胸はキュッと締め付けられるように苦しく、そして、向日葵を今まで以上に愛しく思う気持ちが広がり、そのままギュッと向日葵に抱きついた。
「きゃぁ、た、太陽兄ちゃん?!」
突然自分に抱きついてきた太陽にビックリして、上ずった声を出した向日葵に太陽は向日葵の胸に顔をつけたままクスクスと笑い、見上げて言う。
「変な声」
「太陽兄ちゃんが急に抱きつくからでしょ!」
真っ赤になりながら、プクッと頬を膨らませる向日葵に少し悪戯心がわいた太陽は更に顔を密着させ胸の谷間に顔をうずめて、ドクドクと早くなっていく向日葵の心臓の音をきいた。
向日葵は自分から太陽を胸の中に閉じ込めたにも関わらず、どんどん自分にくっついてくる太陽に、恥ずかしさがこみ上げ、少しジリッと後ずさろうとしたが、太陽が自分の腰に手を回して引っ付いているのでそれも敵わず、見上げてくる太陽の視線から目をそらすだけで精一杯。
(む〜どうしよう。ずっとこのままって事はないにしても、太陽兄ちゃんが離してくれないと身動き取れないよ……)
モゾモゾと何かしら動こうとする向日葵の胸の中で太陽が顔を動かし、ボソリと呟く。
「向日葵、胸無いな〜」
「なっ!そ、そんな事ないよ!」
「そうか?」
「ムッ!Dカップあるもん!」
「え〜Dって感じしないぞ?見栄はって嘘ついてる?」
「嘘じゃないもん!!」
「ふ〜ん、じゃぁ、俺が確かめてやろうか?」
「え?」
ニッコリという太陽の言葉に首をかしげた向日葵だったが、次の瞬間、向日葵の唇に太陽の唇が重なって、向日葵はあっという間に太陽の腕の中に閉じ込められていた。
ビックリして目を見開いた向日葵の瞳をしっかり見返す太陽。
優しいその瞳とキスに向日葵はゆっくり瞼を閉じて、太陽の背中に手を回して抱きつく。
暫くの間、向日葵の体感的にはとても長い時間、唇を重ね、そっと太陽が離れ、向日葵は瞼を開けた。
互いの体温が肌で分るほど、まだ太陽の顔は向日葵の目の前にあって、じっと向日葵を見つめるので、つい、向日葵は視線を下へと向ける。
「抱っこしただけじゃ、分らないな……」
「そ、そう、かな?」
向日葵は太陽の言葉の一つ一つにドキドキした。
向日葵もそれなりの知識はあったから、太陽の言葉の裏に見え隠れする【何か】に少し期待もあって(もしかして…)という思いが湧き上がってくる。
キュッと太陽の背中に回した手で太陽の洋服を握ると、太陽はクスッと笑った。
「確かめるのは、また今度……」
小さく震える向日葵に太陽はそう言い、その言葉に向日葵は下を向けていた視線を上げて太陽を見つめる。
「え?」
「ん?あれ、もしかして確かめて欲しかった?」
「そ、そういうわけじゃないけど……」
太陽の悪戯な言葉に慌てて自分のちょっと期待した気持ちを悟られないように向日葵は首を振った。

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