空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

2人の時間 4

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「太陽兄ちゃんのエッチ」
甘い息を吐きながらいう向日葵の言葉に太陽はフフンと鼻で笑ってそっと胸の谷間、ちょうど心臓の上辺りで唇を止める。
「ぁっ…くすぐったいよ、太陽兄ちゃん」
太陽の呼吸が肌に当たって、向日葵が体を小さくすれば、太陽は必要以上に向日葵を抱きしめ、決して放さないと態度で示しているようだった。
そんな太陽の無言の言葉に向日葵は嬉しくもあったが、恥かしく、そして少し怖い。
自分の胸にある太陽の唇は動くことなく、そのまま胸に吸い付いて、びりっとした痛みを感じ小さく「ンっ」と声を漏らした向日葵。
暫く太陽は向日葵の肌に唇をよせ、向日葵が恥かしさとすぐったさに体中が暑くなり始めたとき、太陽の唇が離れた。
再び、太陽に優しく抱きしめられた向日葵は視線を自分の胸元へと下ろす。
まるで口紅をつけたように紅い印がそこにはあり、そっと指先で触れれば、まだビリッと痛みが走った。
「…これって、キスマーク?」
首をかしげて聞いて来る向日葵に太陽はキスマークに触れている向日葵の手に自分の手を重ね、ニッコリや細工微笑む。
「向日葵、覚えてる?」
「何を?」
「俺ってさ、自分の物には必ずそれが俺の物だって分かるように印をつけてたの」
「あぁ!うん。確かなんだか変なマークだったよね。目玉みたいな感じで。太陽兄ちゃん絵が下手だったから…」
向日葵はそこまで言ってはたと気がつき、ジッと胸元に付けられたキスマークを見つめた。
「あ…、もしかしてこれって」
「向日葵は可愛くて、魅力的だからな。俺の物ってちゃんと印を付けておかないと」
「お、俺の物…」
「向日葵は俺のもの。誰にも渡さないし、俺以外の所に行くのも絶対許さないからな」
「太陽兄ちゃんって意外に独占欲強いの?」
「そう、俺は独占欲の塊。ただし、向日葵の事だけな。後は別にどうでもいいかも」
「俺様主義?私偉そうにされるの嫌いだけどな〜」
「向日葵が浮気しなければ、俺は向日葵に甘いよ。知ってるだろ?」
「……うん、知ってる」
向日葵は太陽の体に腕を回して抱きつき、その温かさを体全体で感じ、瞳からポロリと自然に熱い涙が零れ落ちる。
「向日葵?」
「ご、ごめんなさい。悲しいわけじゃないし、嫌なわけじゃないの…勝手に涙が」
「うん、そうか。ごめんな、俺のせいかもしれないな…」
「ち、違うよ。太陽兄ちゃんのせいじゃない」
自分の腕の中で小さく震え始めた向日葵を更に優しく包み込んだ太陽。
胸元に押し付けられる向日葵の顔と、その髪の毛から香ってくる向日葵の匂いに太陽は自分の胸の中で熱く燃え上がってくる欲望を押し込め、向日葵の耳元に囁く。
「向日葵、好きだよ。ずっと俺の傍に居て欲しい…向日葵が飽きてしまうまでずっと」
透明に響く大好きな声の告白に向日葵は嬉しさのあまり大声で泣いてしまいそうで返事が出来ず、ただ、コクリと頷いた。

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