空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

通じた気持ち 1

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朝日が眩しく向日葵の部屋の中に入ってきて、向日葵は布団にもぐりこむ。
ピピピと枕もとの目覚ましがなり、布団から手だけを出して目覚ましを止め、もぐりこんだ布団の中で大きな欠伸をした。
薄い意識の中、ふと自分の胸元を見た向日葵はそこに真っ赤だった色が少し落ち着いて、あざのようになった印を見、そっとその印を指先でなぞる。
「……夢、じゃなかったんだ」
少しチクリとした痛みが印から送られて、向日葵は改めて昨日の出来事を思い出していた。
あの後、優しく抱きしめてくれる太陽の唇は自分の唇に重なって、何度も何度も重なって、太陽の手の平が向日葵の存在を確かめるように体中を巡り、向日葵は頭がボンヤリする中、自分を確かめる太陽を感じた。
改めて、布団の中で、機能の出来事を思い出していた向日葵は自分の顔が熱くなってくるのを感じ、布団の中に居るのが息苦しくなってプハッと顔を出す。
両手で布団を握り締め、フーと一息して眼を開ければ、さっきまで背中にあたって明るかった太陽の光がフッと影った。
「あ、れ?」
どうしたのだろうと布団に入ったまま体をコロリと転がして振り返ってみると、そこには大きな人影があって、その人影はゆっくりかがむように自分に近づいてくる。
「おはよう…ってか、おそよう?」
くすくす笑うその声は昨日まで自分を抱きしめ、今までの時間の分と言わんばかりに唇を重ねた相手。
驚いた向日葵は再び布団の中に頭を突っ込んで隠れた。
心臓が本当に口から出てきそうなほどにドキドキして、(静まれ!)と命令しても全く言う事を聞いてくれない。
(どうしよ!っていうか朝からこんなのあり?!)
足を縮め、丸く小さくなった向日葵のスグ横がギシッと重さで沈み、太陽がそこに座ったのだと言うのが分かった。
「お〜い、向日葵。何時まで篭ってるつもりだ?」
「そ、そんなこと…言われたって…」
そんな返事をするのがいっぱいいっぱいの向日葵がでてこない事にフゥとため息を1つついて、太陽は向日葵がぎゅっと握って隠れている掛け布団の端を持つ。
向日葵にしても、こんな風に隠れててもいずれ布団が剥がされてしまえば同じ事なんだと分かっていても中々でれなかった。
寝起きを見られるって言うのも恥かしかったし、何より、昨日の今日でどんな顔をして会えばいいのか分からず焦る。
焦ってどうしようかと必死で考えている向日葵のかぶっていた布団の足元がなんだかモソモソしてきた。
(ん?何だろぅ?)
首をかしげて自分の足元のほうを覗き込んだ向日葵の目の前に太陽の顔が現れ向日葵は驚いて体が固まる。
太陽は寝ている向日葵の足元から侵入し、足の間に向日葵を挟みこむようにして四つん這いに向日葵の顔を覗き込んだ。
「おはよう。向日葵」
「ぁう、ぅう、おはよ…」
「ククク、向日葵、顔真っ赤だぞ」
「な!誰のせいだと思ってるのよ!」
ニヤリと笑って向日葵の事を言う太陽に、向日葵はムッと口を尖らせて怒鳴り、両手でニヤつく太陽の頬を抓るように引っ張る。
「いててて…」
「あ、ご、ごめ…」
顔をしかめた太陽に悪い事をしたと慌てて太陽の頬をつまんでいた手を放すと太陽はフフンと再びニヤついて、仰向けで寝ている向日葵の背中に腕を回し、向日葵の上半身を起こすようにして慌てて謝罪の言葉を発する唇に唇を重ねた。

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