雪華〜コイスルヒト〜

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

彼と私の関係 4

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食事をして少し横になったが、やはり体自体が既に回復しているせいか、余り長く布団に入ってジッとしている事もできず、ムクッと起き上がる。
「……少し、暇かも……」
呟いたと同時に、携帯ではなく家の電話が鳴り響いて、私は小走りに電話の所まで行き受話器をとった。
頭の中では半分ほどが会社からかな?って言う考えと、もしかしたら彼かもしれないという全く別の考えが半々で、電話口から聞こえてくる声に耳を澄ませる。
「もしもし?」
「もしもし?あれ?珍しい。家にいるなんて思わなかったわ」
聞こえてきたのは幼馴染と言ってもいいほど昔からの付き合いがある友人の陽子の声。
「留守電にでも入れておこうと思ったんだけど、どうしたの?会社辞めた?」
「……違うわよ、風邪をひいて休んだの」
「あら、それもまた珍しい」
珍しい珍しいといいながらカラカラ笑う陽子は相変わらず。
「で?どうかした?」
受話器を持ったままフゥっと床に腰を下ろして聞いた。
「あぁ、久しぶりにさ、会わない?って話をしようと思って」
「何かあった?アンタが会わないなんて言うときは必ず何かあるのよね〜」
「フフ、流石みぞれね〜。実はね、結婚するの」
「結婚?陽子が?!」
素っ頓狂な声で言う私の言葉に陽子は「もぅ!」ってちょっと怒る。
でも、陽子は私と変わらず仕事人間で、恋愛してるなんて思っても見なかったからつい、声の調子が変わってしまった。
「へぇ〜物好きも居たもんね〜」
「煩いわね〜。それでね、独身最後にアンタとおしゃべりでもって思ったのよ」
「独身最後が私?」
「そうよ、何?」
「だって、どう考えたってアンタがそんな事するとは思えないもの。どうせ、幸せオーラで私に羨ましがらせるつもりなんでしょ?」
「ばれたか」
久しぶりの友人との会話に2人とも調子も変わらなくって、アハハと大きな声で笑う。
「……いいわよ。そうね、今度の日曜日なんてどう?」
「あ、ゴメン日曜日はダメなの。土曜日にならない?」
「ん、OK。今私何時でも休める状態だから何時でもいいわ」
「……そう?じゃ、土曜日に」
相変わらず、長年の友達と言うのはチョットした一言できっと何もかも分るんだろう。
私の「何時でもいいわ」の言葉に一瞬沈黙した陽子。
恐らく、私に何かあったっていうのを感じ取ってる。
でも、それをいわないのも友達ね、私の扱い方を心得てるって言う感じ。
多分、陽子には嘘はきっとつけない、ついたとしてもスグに見破られちゃうわ。
そんな友達をもてた事を今少々感謝し、暫く陽子と他愛の無い話をした後、受話器を切った。





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