疑弟〜ギテイ〜

<Sweet Orange Story

  Love 愛しき言霊>

愛しさ故 4

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何を思ったかずっと専業主婦で居た母がパートを始めだし、週に3日ほど昼から夜9時まで出かけるようになった。
その日。
私はいつもより早く帰宅した。
母の居ない日は司と交代で所持の用意をする事になっている。
私の家庭科の成績は良くって2だった。
そう、私は料理も裁縫も大嫌い。食事の用意をするのも嫌いだし、何よりも私が作ったものは美味しくない。
かといって、交代ですると決まっているものを放り出すことも出来ず、渋々やっていた。
早くに帰宅した私は、玄関に司の靴があるのを見た。
ただ、そのときに見覚えの無い靴がある事に私は気づかなかった。
とりあえず、食事の用意の前に着替えをするため自分の部屋に向かう。
階段を登り、自分の部屋の扉を開けようとドアノブに手を伸ばした時、2階の廊下の向こうから聞こえてくる声にビクンと手を止めた。
「あぁん……ぃや……ダメだったらぁ……ぅんン」
明らかに女のよがる声がする……
私の心臓はバクバクとありえないほどに早く鼓動し始めた。
(……な、何なの?)
ゆっくりと廊下に鞄を音を立てないように置いて、私は廊下で立ち尽くし、その私の耳に今度ははっきりと聞こえてくる。
「あっ!はぅん……司君……やん!あぁ……」
確かに聞こえてしまった「司君」と言う声。
そう、声がしたのは司の部屋の方。
(う、嘘でしょ?……嘘よ……)
信じられない思いと信じたくない思い……両方が入り混じった私の体は自然とその女の声に誘われるように司の部屋の前とやってきていた。
完全に閉められていない司の部屋のドアをほんの少し広げて中をそっと覗きこんだ。
私の視線が床に脱ぎ捨てられたセーラー服のスカートを見つける。
スグにその先にあるベッドの方へ視線をやったが、そこに人の姿は無く、ホッとしたのも束の間。
「そんなに……あン!強く吸っちゃ……ダメぇ……きゃん!」
ベッドの横、広く空いたスペースの方から聞こえてくる声に視線を動かす。
床に座り込み、胡坐をかいた司の太腿の上に足で司の体を挟むようにしてパンティーだけを履いた殆ど全裸の女がその体を揺らしながら喘いでいた。
(っ!!)
その様子を見ただけで私の胸には太い剣がつきたてられたかのような痛みが走り、思わず自分自身を抱きしめる。
(あぁ……)
もう何も、言葉が出なかった。
自分自身を抱きしめながらもう一度ドアの隙間を覗き込むと、司が自分に向けられた大きな膨らみをその手で確かめるように強く揉み、先端に突き出た黄土色をした乳首にむしゃぶりついている。
口にふくみ、チュパチュパ音をたて、時に舌でレロレロと舐めたかと思えば、再び口にふくむ。
その快楽に女は首を仰け反らせて口から甘い囁きを漏らしている。
この後、どんな行為が待っているのか。
私には十分理解できた。
どうして司がこんな行為に及ぶのか。
それも私には理解できた。
でも、頭で理解する事と、実際目にして心が思うことは違う。
フラフラと私はその場を立ち去り、自分の部屋に入り込むとワザとバタンと扉を閉めた。
せめてもの、私の抵抗だった。
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