疑弟〜ギテイ〜

<Sweet Orange Story

  Love 愛しき言霊>

1人想う 4

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「あ、あぁ!もぅダメぇ!気持ちイイの!あぅ!!司」
大きく仰け反った私はヒクヒクと体全体をゆらし、そして、力なく床に倒れこんだ。
カターン…
私の手から離されたシャワーヘッドは風呂場の床に落ちて、水の勢いで自分勝手に動いている。
勝手に動くシャワーから放たれるお湯に体をぬらしたまま、私は暫くその場で動けずに居た。
ハァハァと肩で息をして、ぬれた体を壁にもたれかけ、チラリと、備え付けられている大きな鏡を眺める。
艶めかしく肢体をくねらせ、桃色の体を晒している自分がそこにいた。
(……いやらしい私。自分でやって、最後までイッチャウなんて……しかも司の名前を叫んで……)
ゆっくり体をおこし、息を整えて、体を洗う。
ボディータオルが乳首や股間に触れば体は敏感にビクリとその反応を返した。
髪の毛と体を洗い、タオルで軽く水気をふき、バスローブを羽織り風呂場を出て、ソファーに体を横たえる。
「ふぅ……」
雄介と別れてから、別に誰とも付き合わなかったわけじゃない。
でも、体の関係は無かった。何故かは分らないが体の関係にいたろうすると私は拒否していた。
拒否しなかったのは司が私を求めてきた時。
理性が邪魔をしなければ、私はきっとあのまま司に抱かれていただろう。
ううん、抱かれたかった。
何も考えず、司と繋がりたかった。
でも、それは許されないと、あの時は私の理性が勝ってしまったのだ……。
「……もし、今、司が私の目の前に居たら……拒めないかもしれない」
雄介に愛された事、久しぶりに男性を受け入れた事、それが私に私は女であると言う事を認識させた。
雄介は私の愛し方を知っている。
母さんに聞いた司の事で私のボロボロの心は、例え、既婚者であると言う事を聞いても、その心地よさに寄り添ってしまった。
「……私って弱いのね」
ポツリと私が呟いた時、電話の呼び出し音が鳴り響く。
いつもなら、飛び起きて電話に出る私も、気だるさが残っていて、そのまま、放っておいた。
電話の呼び出し音が止まり、留守電に切り替わる。
「……もしもし、花梨?」
電話の声は母さんだった。

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