疑弟〜ギテイ〜

<Sweet Orange Story

  Love 愛しき言霊>

花梨の心 6

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コンコン……
ノックをしてみても、返事は無い。
仕方なくそっとドアを開いて中に入ると、ブラインドの閉められた部屋の中は薄暗く、豆電球がついているだけ。
(……あれ?ココが第8会議室よね?)
明るい所から入った薄暗い場所はより私の視界に暗く映って、暫くその場所で目がなれるのを待った。
部屋を入って右横には会議用の長机が四角に並べられ、一番奥にはホワイトボードがある。
横幅は無いが奥に広い会議室は入って3分の1の部分にパーテーションがあり、部屋は2つに分けられていた。
「雄介?コーヒー持ってきたんだけど……」
パーテーションの向こう側に行ってみれば、そこはまるで誰かが寝泊りしているかのように、ソファーベッドが1つあり、荷物が散らかっている。
ソファーベッド近くにある小さなノートパソコンを乗せている折り畳みの机にコーヒーを置いた時、会議室のドアが閉まり、カチャリと鍵のかかる音もして、私はドアの方に歩いていったが、突然、後ろから抱きつかれた。
「きゃ……んぐっ!」
思わず叫び声を上げそうになった私の唇を暖かく大きな手が塞ぐ。
スッポリと私を包みこんだ人物はそっと私の耳朶を軽く噛んで、振り返ろうとして横を向いた私の唇を奪った。
「ンっ……」
薄暗い中、私の顔にかかる吐息はとても熱く、視線の先には少し髪の毛の乱れた雄介の顔がある。
身なりをいつも綺麗に整えている雄介ではない、私だけが知っている雄介の顔を間近に感じ、私の唇の間にねじ込むようにして入ってきた舌を受け入れ、私もそっと舌を絡める。
「雄介……んふぅ」
濃厚なキスは留まる事を知らず、2人の唇は互いに吸い付いて唾液を交換した。
朝のあの瞬間から、互いに我慢をして、今、やっと目的を達成させるかのように絡み、淫猥な音を立てる2つの唇の動きに合わせ、私を抱きしめる手は少し乱暴に私の胸を制服の上から揉み始める。
「あふぅ……ぅンん……」
口づけの合間、少し空いた場所からは私の甘い吐息が漏れ出し、まだ、胸を強く揉み解されているだけなのに私の体は敏感に反応していった。



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