疑弟〜ギテイ〜

<Sweet Orange Story

  Love 愛しき言霊>

雄介の思惑 3

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ネクタイを外した雄介は少し体をソファーから持ち上げて、自身を抱きしめている私の両腕を解く。
「な、何?」
「分っているんだろ?さぁ、指を絡ませるように両手を重ねて……」
逆らえなかった。ううん、逆らいたくなかったのかもしれない。
私は右手と左手の指を交差させるように指を絡ませ手と手を合わせる。
雄介はだまって私の手首をグイッと力強く引き寄せた。
「っ、痛……」
握られる雄介の手の力はとても強くて思わず顔が歪む。
私の声に雄介はニヤッと笑い、そのまま私の手首を少しきつめにネクタイで縛り上げた。
「お、お仕置きって…こう言う事?」
雄介は返事をせずに縛り終わると私をそのままにドサリと再びソファーに腰を下ろす。
前方に差し出し、縛られた自分の腕。
てっきり、私はそのまま雄介に抱かれるものだと思っていたのに縛るだけ縛ったら雄介は私が持ってきたコーヒーを口にしてくつろいでいる。
(ど、どういうこと?)
何がなんだか分らないまま、チラリと雄介を見た。
ネクタイが無くなり、ボタンが外されたワイシャツからは雄介の胸元がチラリと覗いている。
逞しいその体を見ていると、車の中で抱かれた光景がよみがえり、コクリと私は唾を飲んだ。
「花梨、どうした?」
コーヒーカップに口をつけたまま、視線を私の方に向ける雄介は何かを企んでいるのは丸わかりで、私は虚勢を張る。
「別に……何でも無いわ」
「そんなに息が荒くなっているのに?」
「あ、荒くなんて……」
「なってない?じゃぁ、その顔はなんだ?」
雄介は上目使いに視線を流し、コーヒーカップを机に置くと、ソファーの背凭れに両肘をかけ、体を大きく私に向かって開いた。
何をされたわけでも、何かを囁かれたわけでもないのに、大きく開かれた雄介のその体に私は自分が欲情していくのが分り、伏せ目がちに視線をそらす。
「……花梨、俺を見ろ」
雄介の少し強めの口調にビクリと体を揺らして私は視線を雄介に戻した。




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