疑弟〜ギテイ〜

<Sweet Orange Story

  Love 愛しき言霊>

雄介の思惑 16

イメージ


疲れきっていたのだろうか?私を抱きしめた雄介は暫くしてスゥスゥと寝息を立て始め、私は体のだるさを抱えながらも雄介の腕から抜け出す。
「ぅん…」と寝返りをうつ雄介に一瞬ドキッとしたけれど、雄介が起きる事が無い事を確認し、近くにあった毛布を雄介の体にかけた。
まだ、足がガクガクとして、何かに掴まらないと立てないほどだったが、何とか立ち上がれば、雄介の証がツツッと蜜壷から太腿を伝って落ちていく。
慌てて手で抑えて、近くのティッシュでふき取って眺めた。
(私ったら……なんてことを)
急いで上着を羽織り、見た目だけは服を着ているように装って、下着をポケットに突っ込み部屋を出る。
そのまま走りこんだのは女子トイレ。
和式トイレに跨って、蜜壷の中の物を搾り出すように力み、指を入れて掻き出した。
ポタリポタリと落ちていく白い液体を見て私はただ、後悔の念だけが頭をもたげる。
排卵日ではないし、今、殆どの液体を外へ出したけれど、勿論、こういう行為をしてしまったのだ妊娠の可能性も否めない。
男と女が繋がり、そして男が種を何の防御も無い私の中に排出したのだから。
「……本当に私って馬鹿」
自分の愚かさを今更ながら感じ、重たい心で溜息をつく。
一時の快楽に身を任せ、寂しさを埋めようとしてしまった情けない自分。
雄介に抱かれる前よりもっと惨めな気分になった私は、トイレから出て、残っている仕事を鞄に詰め込み、まるで雄介に見つからないように、そそくさと帰宅した。

帰宅してスグに風呂場に行ってシャワーを浴びる。
シャワーヘッドを取ろうと手を伸ばして、私の手首の下に、ひも状の赤い痕が見え、ピクリとその動きを止めた。
私を縛りつけ、焦らして快楽を味あわせた雄介。
「……雄介は、一体どういうつもりで司を忘れろといったんだろう?」
あの時、確かに雄介は「忘れてしまえ司の事は」と言った。
どういう意味なのか、聞く前に私は責め立てられてしまったけれど、あれは言葉通りの意味なのか、それともあの時だけ?
雄介は私をあの頃の、雄介と付き合って居た頃の私に戻そうとしていたのは今日のセックスで良く分った。
本当に、あの頃に戻ったように激しく愛し合うセックス。
雄介の指が触れるだけで、私の体はそれを敏感に感じ取る。誰でもない、雄介の指だから感じる事。
唇が、舌が私の体に潤いをもたらせば、私の肌はそれを吸い取って、蜜壷から蜜をあふれ出す。そして、肉棒が……。
全ては私という者を知り尽くしている雄介だからこそ出来る事。
そんなセックスに私は後先を考えずに身を任せてしまったのだ。フッと私の口から小さな息と共に自嘲の笑いが漏れ出した。
(結局、私も弱いのね。司を責められないわ……)
寄りかかれるものを見つけたらそれに溺れてしまう……例えその人に既に家庭があると分っていても、忘れられるわけじゃないのに、頭の中が真っ白になるほどの快楽で辛さを忘れようとする。
(司、貴方も同じなの?)
降り注ぐ温かい水滴の中、私が考えるのは先ほどまで乱れに乱れた雄介の事ではなく、司の事で、フッと頭によぎった司の悲しそうな顔。
「……司」
司の名前を呼びながら、私は風呂場にしゃがみ込み、M字に開脚させて広げた股間に勢い良くシャワーをあてがう。
「ぅっ…ふ!」
開かれた膣口に当たる水圧。指で広げ、より奥にお湯を入れた。
先ほどまで、あれほど欲しかった雄介の液体を一滴たりとも中に留めないよう洗浄する。
「あぁ……はぁん!んぁっ!」
まだ余韻の残るクリトリスに水滴があたれば、私は体をビクンと痙攣させ、その入口を閉めそうになったが、食いしばってその快楽を我慢して洗浄を続けた。
「あぁ、ぁぁん!あぅん!司……司!あぁぁあ……」
股間がジンジンと痺れ始めて、私はシャワーを放す。
水の勢いに風呂場で暴れるシャワーヘッドを横目に、床に尻をおろし、壁に背中を預けてハァハァと肩で息をする。
「司……会いたい……抱きしめて欲しいよ……」
疲れきり、何も考えられなくなった私の本音が風呂場にポツリと木霊した。





イメージ上へ
イメージ イメージ イメージ

web拍手 "

ぽちっとクリック応援よろしくお願いします♪

inserted by FC2 system