疑弟〜ギテイ〜

<Sweet Orange Story

  Love 愛しき言霊>

揺れる花梨 8

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「わかるか?さっきまで司が着てた服だ」
そういわれて触ってみれば、胸のサイズが合わないのか、胸元のシャツのボタンは外されているが、確かに先ほどまでの雄介の洋服とは違う服。
「司の服なんか着て、雄介、何を考えてるの」
私の言葉に答えることなく、雄介は私の耳たぶを軽く噛み、私の腰には温かい手の感触が伝わってきた。
「あっ……」
私が抵抗するよりも早く、雄介は私のシャツを脱がせ、私の体はひんやりとした空気にさらされて、唇には燃えるような熱さが進入し、口中を犯していく。
目隠しをされた私の鼻に匂って来る司の香り。それが私に微妙な錯覚を起こさせていた。
唇や私の体の扱いは雄介に違いないのに、頭の奥のほうではそれが司だと思い、まるで自分が司に犯されているような感覚。
流し込まれた唾液を飲み込み、唇が少し離れた時、目の前の存在から顔をそむけて言う。
「雄介、やめてよ」
「やめる?どうして?」
「どうしてって。こんなの悪趣味だわ……」
唇をきゅっと結んで、そう私が言うと私の体から雄介の気配が遠ざかった。
(よかった……)
私はホッと胸をなでおろす。
あのまま続けられていたら私の錯覚はとても危ういものになって、きっと淫猥な私が目を覚ましただろう。
安堵の中、目隠しをとろうと手を伸ばした時、私の手首を再び私の近くに寄ってきた雄介がつかんだ。
「誰が取って良いといった?」
少し低い声色が響いて、私は思わずドクンと心臓を鳴らす。
雄介の低い声に少し怯え、そして、何かを期待したような心臓の鼓動にあわてて私は手を払おうとしたが、雄介の手は私の手首を締め付けるように力を入れて握った。
「痛っ……」
痛さに顔をしかめた私の顔に雄介の息が吹きかかり、耳元でそっと囁く。
「花梨、お前は今から司に抱かれてると思え」
「え?!な、何を言ってるのよ、雄介」
「雄介じゃない。司と呼べ。遊びだ。司本人はぐっすり眠ってるんだ、別に気にすることは無い」
「い、いやよ……そんな事」
「やらないのなら、司を俺が犯しちゃうぜ?」
「なっ?!」
「司を花梨だと思って抱くのも面白い。かわいそうに司は高校生にして男を知るわけだ」
クスクスと笑って言う雄介。雄介ならやりかねない。
雄介は別にホモと言うわけでも男が好きだと言うわけでもないけれど、魅力的で雄介自身が抱きたいと思えば、男であろうと女であろうと抱いてしまう。
考え込んで下を向いた私の顎に手が当てられて、グイッと持ち上げられた時、私の唇に熱くビクビクとした硬いモノが押し当てられた。





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