疑弟〜ギテイ〜

<Sweet Orange Story

  Love 愛しき言霊>

錯覚の中で 1

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押し当てられた硬いその先端は私の唇の上を円を描くようにゆっくりとその存在を私に知らしめる。
条件反射というのだろうか?それとも私がそれだけ淫女なのか?
円が3回ほど描かれる頃、私の息遣いは荒くなり、上下の唇の間が少しだけ開いて舌が小さくその亀頭を舐め始めた。
(ん、熱い……)
先端だけをパクリと唇で食べれば、私の鼻から匂ってくるのは雄介の香り。
雄介は自分を司と思えなんていったけれど、昔に何度も交わり、つい先日激しく求め合った雄介の体。
いくら洋服を司のものに着替えたからといって、体から匂ってくるその体臭まで変えることは出来ない。
(もう、私、雄介に抱かれると思ってしまってるわ)
錯覚の魔法はあっという間に解かれ、半分落胆した気持ちになっている自分が居る事に気づいてため息が漏れ出した。
錯覚でも何でも司に抱かれることに期待をしていたんだ。
情けない自分に嫌気がさすと思っていた時、私の唇の近くに居た雄介の肉棒が唇から離される。
「ぁっ、雄介?」
いつもなら、ある程度亀頭を舐めさせた雄介は私の頭をつかんでグイッと喉奥までその肉棒を突き刺すのに、それをせずに離れたから、私はドキッとした。雄介だと思って愛撫していたのがばれたと思って。
そういう行為が終わるのだと安心するのではなく、その行為を続けてもらえないのだと落胆する胸の鼓動。
先ほどまで駄目だと警鐘を鳴らしていた私の頭だったが、言葉ではなくその物が私の唇に触れ、雄介の肉欲を感じた瞬間、すでに体も思考も、私自体が乱暴に雄介に抱かれる事を望んでしまっていた。
「また、雄介って呼んだな?注意しねぇと司を犯しちまうぜ?」
クスクスとそんな気はあまり無いという感じのおどけた口調でそう言った雄介の声のするほうに顔を向けると同時に、私の顔に布がかぶせられる。
「んふっ、な、何?」
唇まで全て、私の頭を全部包み込むようにかぶせられた布からは司の匂いが漂ってきた。
「お前、俺のを咥えた瞬間、司じゃなく、俺だと認識しただろ?」
「そ、そんなこと……」
「嘘をつくな。お前の事なら何でも分かる」
何でも、その言葉は本当だろう。いつだって雄介は私のことを見抜いてしまう。
だから雄介の傍にいるのが心地よかった。
「司のシャツだ。司の匂いがするだろ?これならずっと錯覚できる」
雄介はそういうと私の手をとり、大きくそそり立っている肉棒を握らせる。
顔全てを司のシャツで覆われた私の鼻に入ってくるのは司の匂い。
肉棒を愛撫しながら、私は頭の奥底では雄介だと分かっていながら、再び、錯覚に陥った。
(こんな事、いけない。いけないのに……)
そう思ってはいるものの、私の中には錯覚から生じるある種の期待が生まれる。
ずっと、司に抱かれたい、めちゃくちゃに私を犯してほしい、そう思っていた。
でも、それはいけない事だと、私は姉なのだからという理性がそれを押しとどめていた。
たとえ、その体は雄介でも、司が私を犯すのだという錯覚は私をさらに興奮させていく。
(司…ごめんなさい。もう止められない、今だけ、今だけ!)
湧き上がる熱い欲望が私の理性を完全に塞ぎこみ、私は錯覚という快楽の中に落ちていった。




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