疑弟〜ギテイ〜

<Sweet Orange Story

  Love 愛しき言霊>

錯覚の中で 2

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「ん、ハァ、ハァ、司…司の匂いが」
私の言葉に雄介は答えようとはしない。
きっと、言葉を出す事で私が錯覚から浮上してくると思っていて、雄介はこの遊びを本物にして楽しみたいのだろうと想像できた。
すぐに私に襲い掛かってくるだろうと思っていたが、雄介の気配が暫く遠のいて、次の瞬間ジャキッという音。
「な、何?!」
驚く私にかまうことなく、その音は響き、私の腰骨にヒヤッとした冷たい感触が伝わって、それが鋏であると理解した時、スルリと下半身を覆っていた布が引き抜かれる。
(パ、パンティを切ったの?)
体を覆うものが無くなり、思わず私は下半身を手で隠した。
股間を見られるのが恥ずかしかったわけじゃない、もうすでに指が滑るほど濡れている事を隠したかったからだった。
(嫌だ、こんなに濡れてるなんて……)
指を少し動かすだけでクチュッと音がして、私は自分で思っていた以上に濡れている股間にビックリする。
ソファーに座り、股間を押さえる私を今雄介はどんな風に見ているのだろう?そんな事が気になった。
さっきまで口では駄目だといっていた淫猥な女に呆れているかもしれないと思っていると突然、大きな手が私の胸を包み込み、無造作に揉み上げられる。
「あぅっ!」
とても強く、握られる乳房は、まるで母乳を搾ろうとするように頂点に向かって絞られ、最後におそらく今までの快楽でいやらしく突き立っているだろう乳首を指先でつまみあげられて、私は思わず声を出していた。
何度も絞られる私の乳房は痛みと快楽が入り混じり、背中をそらした私の体は、もっとと強請る様に雄介に胸を突き出す形になっている。
(なんて、いやらしいの…私。こ、こんな…まるでやってくださいっていわんばかりの格好。恥ずかしい)
頭の隅に残っている理性が、そう思ったとき、私の唇に司の洋服の上からジットリとした生暖かさが重なった。
「んふぅ…司」
思わず口走った自分の言葉にハッとする。無意識に私の頭が錯覚を言葉にした時、私は頭の中が真っ白になった。
「……それでいい」
固まる私に、呟くような雄介の声が聞こえ、その声に思わず身を引いた私の体はグイッとつかまれ、今度は乳首が湿った温かさに包まれた。
チュパチュパとわざとたてられる音と共に私の胸からはゾワゾワとした背筋が震える快楽が湧き上がってきて、私の呼吸は荒くなる。
ハァハァと、呼吸がするほどに私の鼻には司の匂いが入ってきて、私は雄介の思惑通りになっていった。
乳首が舌に転がされ、歯や唇に挟まれる度、私は体をビクンと弾ませる。
(もぅ…何も考えられない、考えたくない。私は司に…犯される…)
トンと肩に触れた手が、私の体をそのままソファーに押し倒し、私の背中にソファーの冷たさが伝わって、肩からゆっくり、私の体を這う様に手が下りていく。
目隠しをしているせいなのだろうか?体中の感覚がとても敏感になっているようだった。
「あっ…、ん、あぁ……」
いつもの雄介とは違う、快楽の中心を狙ってこない表面だけの優しい愛撫は雄介とセックスをするのだとは思わせず、本当に司が私を愛撫しているようで、私の頭の中から雄介の姿が完全に消える。
目隠しと頭にかぶせられた司の洋服の向こうに私が見るのは雄介ではなく司の幻。
胸を通り過ぎた手が下半身に狙いを定めているのだと分かると私の心臓は嬉しそうにドキドキと期待しはじめた。




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