くちづけ

<Sweet Orange Story

  Love 愛しき言霊>

ゼロと言う女 2

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私の名前は零那(れな)。
通り名はゼロ。
冷たい女なんて言われてるけどそうじゃないわ。
私は自分で言うのも何だけど結構温かい女よ。
だって、もてない男が犯罪に走らないようにこの体を提供してあげてるんだから。
お金さえ出してくれれば選り好みなんてしない。
私を求めた人には私を提供してあげる。
娼婦かって?ふざけないで。
私は別にコレが生業と言うわけじゃない。
普段の私は地味な女。普通の会社の、普通の事務員。
長い黒髪を後ろにひっつめて、古めかしい金ボタンのついた事務服を着て化粧をしていない、只の冴えない女。
でも夜は違う。
夜になれば私は大きく羽ばたくの……。

「どうして、こんな事をしているんだ?金か?」

男は良くそう聞くけれど、本当はお金なんていらないわ。
お金は私の価値を下げない為に貰っているに過ぎない。
私が私である為に……。
ポッカリ空いた私の隙間を埋める為に……。
私は今日も夜に輝くネオンのホテルに向かうのよ。



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