くちづけ

<Sweet Orange Story

  Love 愛しき言霊>

ゼロと言う女 7

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大きないびきを横に聞きつつ、ゆっくりと私は布団を抜け出す。
全く、男って言うのは年をとるほどに性欲が増して行くものかしら?
ホテルが設けた適当に小さなゴミ箱にティッシュが溢れてしまっているわ。
私もさすがに膣道の痺れが取れない。
(ふ〜、帰ったらキチンとケアしないと……翌日が大変ね)
ただ出し入れされるだけの十数回のセックスは腰と言うより、擦られている膣壁が悲鳴を上げる。
日中働きづめだったなんて愚痴をこぼしていたこの男のドコにそんな体力があるのか?
年を経るほどに、独り者は自分の子孫を残したいと体が【性】を求めるのかもしれないわね。
若い男もそれなりの性欲を持っているけれど、それはとてもサッパリしたものだわ。
なのに、中年って呼ばれるようになる頃の男はしつこくて濃い。
サッパリした物をずっと食べていれば、たまには濃い物も欲しくなるけれど、残念ながら若いの同様に私を衝天させるほどのテクニックは持ち合わせてないのよね。
服を着替え、男の財布から私の報酬をいただいて、1人、ホテルを後にする。

私は決して男と一緒に歩く事は無い。

理由は色々。
1番は面倒だから。
男は大抵自分の物を主張する為に一緒に歩きたがることが多い。そうでない人もいるけれど。
【自分の物】そう主張されるのは面倒で、大嫌い。
そしてもう1つ。夜の姿を昼間の私の知り合いに見られたくはないと言う、少しだけ私の中に残っている羞恥心がそうさせている。
(全く、こんな羞恥心……早く消えてしまえばいいのに)
まだ、昼の自分に未練があるようなそんな自分自身の心にフッと自身を嘲笑した。


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