くちづけ

<Sweet Orange Story

  Love 愛しき言霊>

ゼロと零那 2

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消毒の目的と、荒れた膣道を保護する意味のジェル。
ゆっくりと回りに刷り込めば、少し熱を持ったようにボワッと膣道が熱くなり、それは愛撫を自分でしている時の熱さに似ていて、つい、差し込んだ指を動かしてしまう。
「んぁ……」
始めはそっと入口付近から円を描いて内膜をたどり、徐々に奥へと差し込まれていく人差し指。
ヌルリとしたジェルの感触は愛液に似ている。
まんべん無く塗られたジェルは徐々に私の本当の蜜と混ざり合い、再びゆっくり内壁を擦りながら指を引き抜いていけばクチュっとその存在を音にして返してきた。
「ぅ、んふぅ……」
鼻から切ない音が洩れ、引き抜かれた指は誘われるように蜜がとろけだすその中へ再び侵入していく。
私には私自身が知っている私の感じる場所がある。
1つ目は胸。
2つ目は股間の割れ目の中にある蕾。
この2つは男も承知しているのか必ず愛撫をしてくれるし、それを刺激されればジンワリと蜜壷から蜜が出てくる。
しかし、男の愛撫はかなりの自己満足が入っていて、少しでも私が声を出せば、それで満たされてしまって、入念には愛撫してくれない。
男にとっての快楽は棒を差し込む事だもの。当然といえば当然のことね。
2つの性感帯を刺激して満足している男はそれ以上、私の性感帯を探ろうとする事無く、まだ少しだけの蜜で湿っている、十分濡れたとは言えない私の股間に棒をつきたてるのだ。
潤滑剤もそこそこで、更にコンドームをしている男の棒は私の膣壁を無理やり擦り上げてしまう。
男はそれで快感なのかも知れないけれど、受け入れるコッチはたまったもんじゃない。
だから最近では私は男がその行為に入る前に密かに自分の蜜壷に人工の蜜を忍ばせている。
そんな男共だから私の3つ目の性感帯の事は誰も知らない。
私の3つ目の性感帯は蜜壷の中。
膣へ侵入した指が届くギリギリのお腹側の膣壁。
一般的にはGスポットと呼ばれているその場所。
男はそこを愛撫する事も突く事もしない。そこを責められばきっと私は冷静で居られなくなってしまうかもしれないのに……。
「あふぅ……」
クチュクチュと私の指に蜜が絡みつき、音を立て、私はベッドにもたれ掛かって更に快楽を求める。
右手をグイッと蜜壷にさしいれ、左手で自分の胸にあるツンと突き立った乳首をいじった。
「あぁ…はぁ……」
小さな呟きが私の口から漏れ、数分自身を慰めて、それでも私は頂点に達する事無くフゥと喘ぎから溜息に変わって手を止める。
「……本当の高みに上るっていうのはどんな感じなのかしら?」
一度としてオーガニズムを感じた事は無い。それが男性とであっても、自分であっても…。
経験してみたいと思うことはあるし、自分でしている時は後少しなのかもしれないと言うところまでは達するがそれ以上は無理。
自身でやっているとどうしてだろうか自然とブレーキがかけれられてしまう。
私を……ありえないほどの高みへ連れて行ってくれる人物はいつになったら、私の前に現れるのだろう?
そんな人はきっと現れない、そう頭で否定しながらも、心ではその人を求めている自分自身に私は嘲笑を浮かべた。


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