くちづけ

<Sweet Orange Story

  Love 愛しき言霊>

欲と男と嶺 4

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彼の手がリードしなくても私の胸を揉みはじめたとき、肩にかかっていたバスローブを脱いで、上半身をさらけ出しす。
服に隠れていた胸が現れ、揉まれればその肉はその手の通りに形を変えて、自分の思い通りとなっている錯覚を目の当たりにした光景に彼の鼻息は荒くなっていった。
興奮を隠せない彼の息遣いに私はゆっくり自分の手を下へと向かわせ、膨れ上がった彼の股間に添える。
ズボンを突き破るんじゃないというぐらいに膨れ上がった彼のモノはとても硬くて熱くなっていた。
「たかがコールガールにこんなに興奮していいのかしら?」
目の前にある私の胸をいつの間にか彼は両手でその柔らかさを確かめ始め、夢中になるその顔はもはや獣そのもの。
全く、たかがと言っていたのはどこの誰なのかしら?
目の前の欲望に忠実で素直なのは男のいい部分でもあるけれど、こういう場面ではどうなの?と首をかしげてしまう。
女のほうがきっと打算で動いていて、ずる賢い。そうじゃないっていう人も居るけれど私はそう思うわ。だって、私自身がそうだもの。
私の胸を手で味わい始めた彼の大きく膨らんだ股間に手を添えて、ズボンの上から少し力を加えるように指を沿わせる。
「うっ、はくぅ!」
食いしばるような彼の声に私はズボンにはっきり現れている肉棒を引っかくように指を上下させながら上目遣いに彼を見た。
天井を仰ぎ少し小刻みに震える彼の様子になるほどと私は納得する。
きっと彼は経験が少ない。彼女がヤラせてくれないのか、それとも、彼女とヤル時間が無いのか。
この程度の愛撫で私を見る余裕も無いというのが良い証拠。
女性経験が少ない、けれど頭でっかちな男は少しでも隙を見せて挿入可能だと思わせてしまうと厄介だ。
どんなに拒否してもがいたとしても男の力に女の力は敵わない。
だからこそ、獣と化した男には上手く立ち回らなければならないのだ。
自分の股間から訪れる快楽に先ほどまで、あんなに必死に放すまいと私の胸を揉んでいた彼の手は離れ、ねだるように腰を前へ押し出した。
その瞬間、私は彼からさっと離れ、私を追いかけてこようとした彼を制止して手の届かない位置に移動する。
おもちゃを取り上げられた子供のように情けない顔を向ける彼の目の前で、全裸になってソファーに座り、腕で胸を隠し、足を組んだ。
「ど、どうして?最後までじゃなければ良いんだろ?」
「えぇ、最後までじゃなければね。でも、少し不公平でしょ?」
「不公平って何が?」
「見て、私はこんなに貴方に全てをさらしているのに、貴方は少しもさらしてくれてないじゃない?」
隠していた腕を大きく広げ胸を露にすれば、男の喉仏が上下する。
先ほどまで自分の思い通りにしていた胸がそこにあるのに手にする事のできないもどかしさから男はジリッと足を前へとにじらせた。
「ダメよ!近づけばそこで終了よ」
近くにある電話の受話器に手を置いて彼を牽制すれば、彼は少し寂しそうに眉を寄せて足を後ろに戻す。
「そうね、良い子だわ。そのまま終わりじゃつまらないでしょ?」
ニッコリ微笑み、手は受話器に置いたまま、組んでいた足を解いて行けば彼の視線は完全に私の体に釘付けとなった。


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