空と太陽と向日葵と…

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

本心 1

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駅前の喫茶店に入った2人は太陽がコーヒーを、遼がレモンティーを頼んで、先ず初めに太陽が喋り始める。
「ココなら話が出来るかい?」
「えぇ、そうですね」
「それで、俺に何か?」
「分ってるとは思いますが、向日葵の事です」
「向日葵。ね…」
太陽は遼が先ほどから向日葵をずっと呼び捨てにするのが気にいらなかった。
しかも、遼の言い方はまるで自分が向日葵と呼ぶのが当然だと言わんばかりに挑戦的。
だが、ココでその感情を表せば遼が得意になるのは目に見えて分っていること。
太陽は出来る限り大人の態度で、感情を余り面に出さないように気をつけた。
「向日葵がどうかしたのかい?」
遼は太陽の大人な態度が気にいらず、ムッと眉間に少し皺を作って、太陽を少々睨むように言う。
「率直に言います。アナタは向日葵をどうしたいんですか?」
遼の急な質問に目を一瞬見開いた太陽だったが、すぐに眉をひそめた。
「その質問を君がする意味が分らないな」
「とぼけるのは無しにしてくれませんか。それとも、俺が子供だからって馬鹿にしているんですか?」
「馬鹿に?そんなことは無いが……」
「じゃぁ、答えてください。向日葵をどうするつもりなんです?」
「どうするって……」
遼の睨みつけるように真っ直ぐな視線に太陽はたじろぐ。
「どうするんですか?」そんな事を聞かれてなんて答えればいいのかまったく分からなかった。
口篭り、答えようとしない太陽に遼は苛立つ。
「……どうするか考えもせずに向日葵を翻弄しているんですね」
遼の呟くように言うその言葉に太陽は訳が分らないまま不快感だけをつのらせていた。

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