Evil.Umpire

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

HARU 3

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「それで、貴方は何を知りたいんです?」
食堂に戻ったサイは食器を片付けながらダースに聞き、勝手が分らないながらもサイを手伝うダースはサイに聞く。
「どうしてアイツ、メギドの管理者が黙示録を携えてハルと名乗りこの世界に居るんだ?」
「おや、貴方はハルが誰か分かっていたんですか?」
「当たり前だろ。これでも俺は魔の中でも上位魔族だぞ」
フーンと少々馬鹿にしたように言うサイに、ダースはムッとしながら、食器を流し台に置いて続けた。
「この世界の終末はまだのはずだろう?なのに、何故アイツが目を覚ましている?しかも、人型で」
腕組をして壁に背を持たれかけさせて聞くダースに、部屋の角にあるモップを指差してサイが言う。
「ダース、時間が勿体無いですから掃除をしながらにして下さい」
「……へぃへぃ、ったく、真面目ちゃんだな〜」
「シッカリ者と言って下さい。……貴方は聖と魔の均衡を知っていますか?」
「あぁ、勿論知ってる。聖と魔は均衡をたもって対立しなければならない。その均衡が破れた時、世界は崩壊し、メギドの丘で管理人による最後の審判が行なわれる……だろ?」
「そう、世界は聖と魔の均衡をたもつと言う行為の元、成り立っている。適度な戦いをくりかえし、適度に生命を間引いて世界を支えている」
「で?それが何の関係があるんだ?」
「この数ヶ月、その均衡が破られつつあります」
真剣な顔をして言うサイに、ダースは掃除の手を止めた。
「破られつつ?どう言う事だ?」
「聖と魔、その両方に全てを崩しさろうとする者が出てきたと言う事です」
「故意に世界を破壊し、終末を迎えさせようとしているのか?」
「さぁ、その真意は測りかねますが、混乱を招いているのは確かです。聖と魔の均衡が崩れてきた事により、聖と魔の中にもその均衡を無視するものが続出しています」
「ま、しょうがねぇよな。アイツがやってんなら俺もって思っちまうもんだしな」
「しようがないで済めばいいですけどね」
「確かにな。聖と魔の均衡が崩れるとなれば話は別だな。しかし、それがどんな結果を及ぼすかってのはどんな下っ端階級でも知ってるはずだがな……」
「ま、自分主義の馬鹿はそういうものでしょう?特に魔の属性の方々は」
「そりゃ悪ぅございましたね。(ったく、聖の属性のヤツはクールと言うか、冷めてると言うか……)それで、ハルは?」
「初めは、私達の頂点の方々も何とかしようと努力したんですけどね、アチラさんに創世の書を奪われてしまってからは形勢が逆転しまして」
「……おぃおぃ、奪われてしまってって、危機管理なってねぇな。んな、トップで俺等、大丈夫なのかよ」
「平和馴れしてしまってたんでしょ。裏切りにあったんですよ。今更起きてしまった事をどうこう言ってもそれこそしようが無いでしょ」
あまりに馬鹿な出来事に溜息を付いて呆れたダースとは対照的に、起きてしまったことには関心の無いサイはチラリとダースをみて、止まってる手を動かすように顎で指示して更に話しを続けた。






 
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