唐突は突然に 6
太陽は俯いた向日葵の顔を覗き込むようにしてニッと笑う。
「向日葵は普通なんだな?成績が」
「そ、そうだけど」
「ふ〜ん、じゃ、歴史は?」
「れ、歴史?……まさか、太陽兄ちゃんって歴史の」
「そう、歴史のセンセ」
「ゲッ!」
真っ赤だった向日葵の顔がゆがんで眉間に皺を寄せた状態で太陽を見つめた。
そんな向日葵をみて堪え笑いをした太陽はベッドから立ち上がり、ベッドの向かいにある勉強机の方へ行って向日葵の方を見てもたれ掛って言う。
「『ゲッ』ってことは余り成績良くないんだろ?」
「……赤点はとってないよ」
「でも嫌いなんだな?」
「だって、暗記苦手……」
「ククク、何だったらこの春休みの間、俺が教えてやろうか?宿題も出てるんだろ?」
「で、出てるけど。太陽兄ちゃんは良いの?」
向日葵は自分の心臓がドキドキと期待でいっぱいになっていくのを感じながら、チラリと上目使いで太陽を見て言った。
「俺?」
「だって、準備とかで大変じゃないの?それに……」
そこまで良いかけて向日葵は俯いて何も言わなくなった。
『瞳さんの所に行かなくて良いの?』
その一言を言いそうになって、慌てて言葉を止めた。
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