十字街

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

仮面屋 22

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私―――
【瀬戸 鈴】
【17歳】
【高校生】
【母子家庭】
それが私の状態。
【聞き分けが良い】
【優等生】
【自慢の娘】
それが私の外面
そう、それは私の外面だわ。
本当の私はそれを行なう為に不要と思われる色んなものを全て封印してきた。
自分自身で、必要か不要かを決めてきた。
小さな箱に押し込めて決して外には出ないように、注意して注意して、鍵をかけ続けた。
……【本当の私】って何だろう?
【聞き分けの悪い】?
【劣等生】?
【情けない娘】?
違う。
ただ外面を反対にすれば本当の私になるかといえば何だかそうでは無い様な気がする。
そもそも、私はどうしてそうなって行ったのか……
素直に居る事が悪いことだと感じたのは、その人の目が、その人の反応が怖かったから。
人の顔色を極端に窺うようになった。
私は自分で考え、自分の言葉を何度と無く飲み込んできた。
我が儘を言って母親の顔色が変わるのが怖くて、本当の気持ちを言って、友達が友達で居なくなるのが怖くって。
そうして、自分の気持ちを言わなくなった。
そうだ、私は自分の気持ちを、感情を押し込めてきたんだ。
ずっと……
自分自身で……
だから彼女は本当に私が思っている私の感情を素直に表現する。
かといって……
今の彼女が本当の私かといえばそれも違う様な気がする。
確かに、彼女の行なっている行為や言動は私が本来そうしたかった事かもしれないでも……
それが本来の本当の自分かといわれれば、私は首を傾げてしまう。
彼女は私。それは間違いない。
でも、本質のところで私ではないと思ってしまう。
どうしてだろう?
きっと、彼女の感情の表し方が直線的過ぎるんじゃないだろうか?
私ならそんな風には言わない。
そういう思いがそう思わせるの?
私なら……どうするんだろう?
オブラートに包むように、柔らかくいえるだろうか?
その人を傷つけず、自分自身も傷つかない方法があるんだろうか?
そもそも、素直に自分の気持ちを表現する事ができるんだろうか?
私は溜息を、深い深い溜息をついた。

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