鏡屋 1
ふぅ、面白かった……
石屋のバァさんをからかうのは誰をからかうより面白い。
なんせ俺を嫌ってるからね。
ククク、そのくせあのバァさんは鏡を手放したりはしないんだ。
まぁね、誰しもがそうなんだけど、あのバァさんは特別。
俺をあんなに毛嫌いするくせにその姿を鏡に映すんだ……
フフフフ……
楽しいね〜本当に面白い。
ピンポンピンポン……ピンポンピンポン……
ん?あぁ、客か。
そうだよ、やってるよ。
最悪な事にこの十字街に休みや営業時間なんてものは無いんだ……
俺はこんな店やりたいとも思わないんだけどね〜
店なんか無くっても十分楽しいからさ。
でもね〜この十字街の決め事でね。
店に来た客にしか与えてはいけない事になってるし、与えられてもいけない事になってるからさ。
面倒だけど店をやっていかないとね〜
ん?機嫌が悪いね。
店員の態度じゃないって?
それは君が見た俺の印象だろ?
ココが店ってことでそこにいたから俺は店員。
それは正しいよ。
でもその態度がなってないかなってるか、それは君の決める事じゃない。
クスクス、納得いかないって顔だね〜
好きだよ、その顔。
うん、嫌いじゃない。
こんな時に何を言ってるのかだって?
ふふっ、俺は人の見た目が大好きなんだ。
その人の容姿……人が見せる表情が大好きなんだよ。
さて、そろそろ仕事もしないとね。
いらっしゃい
ココは鏡屋……
アンタはどんな自分を鏡に映したい?
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