ma・ke・ko・i 〜負恋〜

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

36歳の憂鬱 7

イメージ




会社に着いて、自分の席に座れば私はいつも通りの嫌な女に早変わり。
怒鳴るようなことはしない。
静かに言って聞かせるのが私のやり方。
叱る時は別部屋で、他の人の目がな居場所でやるように心がけている。
沢山の社員がいる場所で、いい年をした大人が女に怒鳴られる姿を見られるなんて誰もが嫌な事だもの。
一応ね、これでも気は使っているのよ。
同じ立場の男性には理解されず、叱られた方は女にとか年下にとか言って文句を言われることが多いけど。
私は私のやり方を貫くの。
今までそうして私は働いてきたんだもの。若い女の子達の【お局話】のスケープゴートになりながらね。
お昼――
私はコンビニのお握り片手に仕事をする。そうでもしないとこの会社がホテルになっちゃう。
まぁね、何でも自分が目を通して、把握しておかないと気がすまないって言う厄介な性格のせいなんだけど。
手を抜きたくは無いし、自分の家に帰りたいって我侭を通すには時間の許す限りを仕事に費やすのが一番。
それに、この時間は騒がしいこのフロアも、皆昼ご飯に出て行くもんだから静かになって仕事もはかどるしね。
ベリベリとお握りのフィルムを剥がし、ノリをフィルムに少し残して下手くそにお握りを作り上げ、そのお握りを一口頬張った時、パソコンの液晶を見つめる私の視界に手を振って近づいてくる人影が映りこんだ。

イメージ上へ
イメージ イメージ イメージ

web拍手 "

ポチッと応援お願いしますイメージ

inserted by FC2 system