ma・ke・ko・i 〜負恋〜

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

後輩の優しさ? 1

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土曜日。
いつもなら――
月〜金よりも早めに残業を切り上げ、電車に乗って途中下車。
そして、行きつけの居酒屋で1人、明日の仕事を気にする事無く飲み明かす言う感じ。
しかし、今日はそうも行かない。
早めに出勤。残業をしないようにと仕事をつめにつめて、私は急いで自分の部屋に直帰する。

ダラ〜とではなく、急いでバッグを放り込んだ私は、自分で思っている以上にキビキビと部屋着に着替えて片づけをはじめた。
どうしてそうなったのか分らないけれど、何故か明日は如月がこの狭い散らかった部屋に来ると言うのだから片付けないわけにはいかなかった。
「こんなことなら、もっと早めに、毎日コツコツ片付けておけば良かった!」
1週間と言う猶予が疲れた私に「明日でいいんじゃない?」と囁き続け、その結果……今、大変な思いをしている。
【片付けられない女】と言うわけじゃないのよ。
【片付けられるけど片付けようとしなかった女】なの。
とにかく、手始めに簡易洋服ダンスとなっている洗濯ロープの洗濯物を片付け、クリーニングに出すスーツを紙袋に詰め込んで……。
夜に掃除機をかけるわけにはいかないから、とりあえず、掃除機は明日に回し、一応整って見えるように繕う。
とりあえず……、そう、とりあえず見えるところさえ綺麗になって居ればいい。
別に泊まりに来ようってわけじゃないんだから、家に来たら少々目を光らせておけば大丈夫のはず。
片付け終わった時……。
固く閉じられた押入れはパンドラの箱と化していた。

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