ma・ke・ko・i 〜負恋〜

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

後輩の優しさ? 4

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「どうぞ」
「わ〜お邪魔します!」
笑顔で玄関に靴を放り出して中に入っていく彼女の靴をそろえて私も中に入る。
キョロキョロと部屋の中を笑顔で見渡している彼女を横目に台所へと向かい、先ほど買っておいたアップルジュースをコップに注いだ。
「さ、座って」
私の呼びかけに、彼女は私の手が示した場所にチョコンと足を崩して座る。
(崩して良いっていってないのに……)
彼女に対しての小さなことを気にしながらも、それをグッと飲み込んで、彼女の前にコースターを置いてジュースを差し出した。
「で?今日は何の用なの?」
「先輩って、婚活してます?」
「婚活……って結婚活動でしょ?」
唐突な彼女の言葉に一瞬ドキッとしながらも、ジュースを口に含んで彼女の鼻あたりを眺めていた視線を少し首元まで落とす。
私だって、時事ネタを知らないわけじゃない。
『30代、40代』のアラサー、アラフォー、『独身女』の独女が結婚する為に色々活動する事を、就職活動に見立てて『結婚活動』婚活と言う。
逆にね、上手く離婚する為に活動する『離婚活動』を離活って言うんですって。
全く、よくもま〜そんな造語をボロボロ作り出すわねって思うけど、そう言う言葉っていつの間にか浸透して、自分も使ってたりするのよね。笑っちゃう。
フフッと口の端をあげて微笑んだ私は少しイジワルな視線を彼女に向けた。
「目の上のこぶはサッサと婚活して寿退社ろって事?」
私の言葉に彼女は思った以上にアハハと明るく笑う。
「ヤダ先輩、違いますよ。一緒に活動しませんか?って誘いです」
「……一緒に?」
彼女の申し出は私の頭に疑問符をこれでもかと生まれださせた。


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