ma・ke・ko・i 〜負恋〜

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

後輩の優しさ? 6

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「ねぇ、如月」
「はい?」
「どうして、私なの?」
「……怒りません?」
「……怒るような事なの?」
「どうかわかんないけど。私の知り合いの中で男の影が無いのは先輩だけで、一番口が堅いって思ってるのも先輩だったから」
少し申し訳なさそうに俯いて、チラリと目線だけを私に向けた彼女に溜息混じりに呟く。
「男の影が無い、か……」
「す、すみません!」
「いいわ、本当のことだから」
そう、他人から見て男の影が無いって思わせるぐらい、私には男のおの字もなかった。
だって、それどころじゃなかったし、昇進すればする程私のプライベートな時間は無くなったから。
20代、仕事に頑張っている時に彼に言われた一言。
「仕事と俺とどっちが大切なんだ?」
もうね、それでちょっと男って物に冷めちゃったのよね。女みたいな事を言うって。
そういうのを可愛いって思う人もいるだろうけど、私は違った。
鬱陶しいって思っちゃったのよね……ま、それが間違いの始まりかな?
私は少し自分を嘲笑するように口の端をあげて笑い、様子をうかがう彼女に視線を流した。
「で?その男の影が見当たらない私と婚活しよっての?この年になって合コンってのもちょっと嫌なんだけど……」
「違いますよ。先輩、パソコン貸して下さい」
フフンと勝ち誇ったように言う彼女の言葉に首をかしげながらも私は起動率の少ない、埃を被りかけた自宅のノートパソコンを持ってくる。
彼女は自分の目の前のグラスなどを横に避け、私はその場所にパソコンを置いた。
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