ma・ke・ko・i 〜負恋〜

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

後輩の優しさ? 10

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それから数日。
忙しさと普段から余り自宅のパソコンを見ないせいもあって、その後どうなったのか経過を見ないまますごす。
1週間ほど経った時、残業をしている私のところに帰ったはずの如月がやってきた。
「先輩!」
「あら、帰ったんじゃなかったの?」
「戻ってきたんです」
「忘れ物?」
「もう!とぼけなくってもいいじゃないですか〜今、ココには私たちしか居ないんですから」
「とぼける」といわれて私は初めて如月が戻ってきた理由がわかった。
彼女はその後の経過を話しにきたのだ。
書類に走らせていたペンの動きを止めて、私のデスクに小さなお尻を乗せて私に背中を向けている如月に言う。
「とぼけたわけじゃなくって、今の今まで忘れてただけよ」
「えぇ?!じゃ、先輩、あれから何もしてないんですか?」
驚いてコッチを振り返った如月に私は苦笑いを浮かべてコクリと頷く。
そんなに驚く事かしら?正直そうおもったから。
「そういう如月はどうなの?」
「アレから何通かやり取りしてるんですけどね〜こうなんていうかピンとくるものが無いんですよね〜」
「ピンと来るぅ?如月の場合は金額かしら?」
「あ、正解〜」
全く、正直というかなんというか。
かといってそれは如月の価値観だから「人間お金じゃないわよ」なんて悟ったような事は言えない。
お金じゃないなんて、お金にそんなに困って無いから出る言葉なのかもしれないし。
私があれから何もしていないと分ると、な〜んだと言わんばかりにつまらなさそうに如月は溜息をついて、私に「絶対今日は帰ったら見てくださいよ!」と念を押して帰って行った。

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