ma・ke・ko・i 〜負恋〜

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

弱いのは? 1

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「ふぅ〜今日も疲れた〜やっと休みだわ」
いつも通り、1週間分散らかした部屋にバッグを放り込んで、スーツのボタンを外し、上着を脱いでスカートのファスナーに手をかけたと
き、ふと机の上に置かれたままになっているノートパソコンに目が止まる。
【絶対ですからね!】
如月の言葉が頭をよぎり、私はスカートを脱ぐのを一旦止めて、ノートパソコンを開け、電源を入れてから風呂場に向かった。
いつも通り洗濯機に下着を入れて、シャワーを浴び、濡れた髪をタオルで巻いて、バスローブを羽織って出てくれば、既にパソコンは起動
している。
「ふぅ、仕方ない。如月の手前、ちょっと見て見ますか」
そんな独り言を言いながら、私は少しドキドキしていた。
どんな感じでどんな風なのだろう?
少し不安で、少し好奇心がある。そんなドキドキ感なんて何年振りかしら。
如月がお節介にもちゃんとお気に入りに入れてくれたおかげで、なんなくそのページは開かれた。
開いてみて私は唖然とする。
何もしていなかったのに何故か紹介メッセージとやらが沢山届いていたからだ。
学生の頃の下駄箱ラブレターなら沢山届いていればちょっと得意になったものだが……。
「これは……び、微妙だわ」
年齢と言うのもあるだろうけど、何だか味気なさも感じた。
とりあえず、一通一通開いてみてみる。
年齢の幅は様々で、私は苦笑した。
「どうでしょう?」とか「よろしければ」とかメッセージに並んでいる言葉はとても消極的に思え、何だか男の人に言われているって感じが全くしなかった。
確かにどこぞの誰かも分らない人にメッセージを送るんだからこんなものかもしれないけれど、私にはその言葉は手当たり次第と思えて、少し敬遠してしまう。
「そう思っちゃうところも年なのかもね〜」
そんな事を1人、頬杖をついてパソコンの画面を眺めながら呟いていた。

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