ma・ke・ko・i 〜負恋〜

<Sweet Orange Story

  Life めぐり会う言霊>

今時の… 2

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電車に乗れば、時期が時期だからだろうか?
いちゃつくカップルが沢山いて、何だかそんな中に自分が居るとちょっとくたびれたオバサンに見えてるんじゃないっかって思ってしまう。
自分を哀れむつもりは無いし、今までの自分の歩いてきた人生にスッゴク後悔しているわけじゃない。
そりゃ、ま〜少しは後悔する所があるけれど。
もう少し若いときに仕事一筋じゃなくって、もっと恋愛すればよかったとか。
でも、そのときは一番仕事をする上で重要な時期で、恋愛事に時間を割いている余裕は無かった。
20代後半から30代前半……。
今ではアラサーって呼ばれているこの時期は、女がその会社でそれなりの地位迄行くにはとても重要な時期。
仕事に打ち込ませてくれる彼氏なら問題ないけれど、その時の私の彼氏は私が仕事に打ち込む事にいい顔はしなかった。
「どうしてそんなに仕事ばかりするんだ?」
「どうせ女は結婚したら……」
「デートの時間ぐらいとれるだろう?」
その時の私には彼の言い分はただ鬱陶しいだけ。
イライラが最大にまで膨れ上がった時、私は彼に聞いた。
「私の中での1番は貴方じゃない。1番は仕事、貴方は2番。それじゃぁ不満?」
彼の口から出たのは呆れたような別れの言葉。
そうね、今思えばそんな言い方、何て酷いオンナだろうって我ながら思うわ。
なかなかの憎たらしさ。良く殴られなかったわね。
私が男で、女にそんな事言われたら、もしかすると殴ってたかもしれないわ。
彼から別れを言ってきたとは言え、そういわせたのは私で、3年も付き合った彼を私が捨てたんだわ。
私だって、傷つかないわけじゃない。やっぱりどこかで彼を頼っていた所もあった。
だからかな?暫くは何だか物足りないような、寂しいような、そんな感じで余計に仕事に没頭したっけ。
『早めにやっちゃったほうが傷が浅いんですよ。相手も、私も』
そういった如月のその言葉の意味はなんとなく分かる気がしていた。
私なんかよりも今の若い子の方がずっと合理的に恋をしているのかもしれないわね。
ただ、私には如月のような恋愛は出来ない。
とても安易で、とても危険な感じがして。
如月に言わせれば「古い」んだろうけど……。
確かに、ネットでの出会いもある。出会いは出会いだろうし、それ自体をどうこう言うつもりは無い。
けれど、だからこそ、私は慎重にするべきだと思うし、慎重になってしまうものだと思う。
良く相手の人とやり取りをして、コレでもかと言うほどに相手のことを理解して、理解出来てから会う。
傷の浅いうちにという考えは分からなくは無いけれど、きっと私にはそれは出来ないわ。
「フー…、しょうがないわよね。私、もう若くないんだもん」
そう、私の事は私が一番良く知ってるし分っている……そう、私は思っていた。




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