疑弟〜ギテイ〜

<Sweet Orange Story

  Love 愛しき言霊>

花梨の心 2

イメージ


次の日、少し気持ち的に行きたくないなと思う会社に向かう。
恐らく、雄介が上手く取り繕ってくれているだろうと言う安心感はあった。
それでも、やっぱりあんなことがあった次の日、行く気がしないのは当然だろう。
(でも、きっと仕事が溜まってるはずなのよね……)
誰かが休んだからその人の分まで仕事をこなしてくれるような人がいる会社ではない。
最低人数で仕事をこなしている状態で、皆自分の仕事で手一杯。
だからこそ、応援として私が単身赴任と言う形でこっちに来ているのだから。
仕事量を思うと、つい、いつもより少し早めに家を出る。
1時間早くついた会社は出勤時間ピッタリに来る時より人が疎らだった。
(意外に静かなのね……)
いつも通り私は階段を登って、更衣室に行こうとして廊下を歩いていると突然、後ろから羽交い絞めにされ、口を塞がれてそのまま廊下の端にある給湯室に連れ込まれる。
(な、何?!)
カチャンと鍵が閉められて、私はただ驚き、体を強張らせていた。
口を塞いでいる手とは別の手が体に回され、私の胸を洋服越しに揉み始め、私は体を捻って抵抗する。
「ぅん!んぐぐ!」
暴れる私の耳元に温かい吐息がかけられ、優しい声が届いた。
「花梨、おはよう」
ゆっくりと口から手が外され吐息のかかる左側に振り向けばそこには雄介の微笑みがあり、私は思わずホッとしながら言う。
「おはよう……ビックリするじゃ……ぅん……」
私が喋り終わらないうちに私の唇は雄介の唇に塞がれた。
初めはゆっくりと動いていた雄介の唇は徐々にその情熱を増して激しく動いて私を貪る。
口を塞いでいた右手が私の胸を揉み始めると、先ほどまで胸を揉んでいた左手がスルスルと体を伝っておりていき、スカートを巻き上げ、太腿をまさぐった。
「んふぅ……んぁ……ぅうん」
私の体はあっという間に女を示し始める。
私の口から出てくる甘い声と興奮を隠せない雄介の荒い息、そして、二人の唇が奏でる水音に小さな給湯室は息苦しいほどの愛欲に満たされつつあった。


イメージ上へ
イメージ イメージ イメージ

web拍手 "

ぽちっとクリック応援よろしくお願いします♪

inserted by FC2 system